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ー崩落ー17
「ですよねー。でも、やっぱり、望さんの言葉が引っかかってるんじゃあないんですかね?」
「そだな。雄介は優しいから、きっと、俺達のことも気使ってくれてんだろうしな。それに、雄介にも望が言っていた言葉伝えちゃったしな」
「『雄介には教えないでくれ』ですよね?」
「そうそう! 何とかなんねぇのかな?」
「そこは難しい所ですよね」
和也と裕実は二人のために何かいい案は無いかと考えているようだ。裕実の方は顎に手を当て、和也の方は首を傾げて考えている。
「あ! 分かりました! 僕達が犠牲になればいいんじゃないんですか? で、望さんには雄介さんに正直に話をしたってね」
「そうだよな。二人のためにならそれしかねぇよな?」
丁度、二人が考えをまとめたところで雄介の方も望のために作ったお粥ができたようだ。
「お粥、出来たでー!」
そう嬉しそうな声がキッチンの方から聞こえてくる。
「ほな、和也達よろしくな。これを望んとこに持って行ってくれたらええし」
雄介はそう言いながら、出来立てのお粥をテーブルまで運んでくる。
「分かった。これ、俺が望んとこに持ってくな。でもさ、これ……雄介が望んとこに持って行ってくれてもいいんだぜ」
「まだ、ええって……。今んとこまだ望んとこに行かへんでも大丈夫やしな」
「そっか……分かった……」
和也はそう雄介の言葉に納得すると、お粥を持ち望の部屋へと向かう。
そして和也は二階にある客間へと入って行く。
「望……大丈夫か?」
和也は望に声を掛けてから、ベッド横にあるテーブルの上へとお粥を置く。
「体の方は熱いけど……何とか大丈夫だ……」
そう答える望だが、和也が望のことを覗き込むと、額には汗をかき、顔をかなり赤くしている姿が目に入ってくる。
「おい……お前さぁ。それでも医者なのか? 薬飲んで寝てればいいっていう問題じゃねぇんだよ。しかも、帰宅してきてから着替えもしてねぇだろ? Yシャツなんか汗で濡れたままなんじゃねぇのか? とりあえず、今だけでもいいから俺の言うこと聞いてくれねぇかな? 俺がお前の着替え手伝うのと雄介に着替え手伝ってもらうのと、どっちがいい?」
その言葉は瞬時にして出てきた言葉だ。後は望がどう答えてくれるかが、和也からしてみたら賭けみたいなもんだ。もし望が「雄介に」と答えてくれれば、ここで雄介に看病をバトンタッチすることができる。だが、もし望が「和也に」と言えば交代はできない。いや寧ろ、望の場合には「和也に」の方はないのかもしれない。恋人がいるのに和也に着替えさせてなんて望が言う訳がないのだから。
望は暫く考えた挙句、和也の方に顔を向けて、小さな声でぼそりと、
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