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ー崩落ー19
「ああ、せやなぁ。ありがとう……和也、裕実……」
そう雄介は笑顔になると、急いで望がいる部屋へと向かう。
そして部屋に入ると、和也の言った通り望の額には汗が滲み、Yシャツまで汗で濡れていた。
「今、望……着替えさせてやるな」
雄介はそう声を掛けると、望は頷いて応じる。
しかし、そんな望の姿に、思わず生唾を飲み込む雄介。
そりゃそうだろう。熱を出している時というのは、何故か色っぽく見えてしまうものだ。望はうつ伏せで雄介を見上げ、額には汗が滲んでいる。その姿がまるで抱きしめた後のように見えるからかもしれない。
だが、雄介はすぐに頭を振って正気に戻り、
「とりあえず、濡れたシャツのままではアカンやろ? 着替えさせたるから、ちょっとだけ座ってくれへんか?」
雄介はまるで子供を扱うような優しい口調で望に声を掛ける。
その指示に、望は再び頷き、ゆっくりと上半身を起こそうとするが、体の節々が痛むのか、数センチも持ち上げられないうちに再びシーツへと沈んでしまう。
「望……大丈夫かぁ?」
その様子に気付いた雄介は、持ってきた着替えを手に、望の体をゆっくりと起こし、シャツを脱がせていく。
シャツを脱がせる際も、まるで望を抱く時のように慎重で、気持ちが自然とそちらに向いてしまうのは仕方がないことかもしれない。
そして、雄介がシャツを脱がせ終えると、目の前には裸の望がいる。恋人として、この姿を目にすれば、我慢が難しくなるかもしれない。
しかし、望はインフルエンザで熱があるため、今日は手を出すわけにはいかない。無理をしてインフルエンザを長引かせるわけにはいかないだろう。
それにしても、今の望の状態は本当にそそられる。
元々白い肌をしている望は、熱のせいで薄ピンク色に染まっている。その姿にドキリとしない男性はいないだろう。
さらに、雄介にはもう一つの難題が待っている。今の状態でも十分ヤバいのに、望の体を拭いてやらなければならないのだ。
雄介は自分を落ち着かせるために深呼吸をすると、タオルを手に取り、汗ばんでいる望の体を拭き始める。しかし、望の方もじっとしていられない様子だ。
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