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ー崩落ー21

 そんなことを望にそうはっきりと言われてしまうと、流石の雄介だって我慢に限界が来てしまうだろう。 「な、雄介……お願いだから……」  そんな望の言葉は、雄介にとって下半身直撃ものだったのかもしれない。  雄介がベッドの上に上がり、望の腰辺りを跨ぐ。 「ホンマにええんやな?」 「ああ、ん……」  望はその雄介の言葉に、甘い声で雄介を誘っているようにも思えた。  雄介はとりあえず、今はキスだけで済まそうとでも思ったのか、望に顔だけを近づけた直後、ドアをノックする音が聞こえてくる。 「なぁ、雄介ー! お風呂使わせてもらうなぁ!」  和也の声で我に返る雄介。  そして、和也が部屋の前まで来ていることに動揺し、言葉を詰まらせながら返事をするのだった。 「あ、ああ……ええって、ええって。聞きに来んでも良かったのに……もう、お、お前らやったら勝手に使うても良かったしな」 「ああ、そうだったか。ま、でも一応なぁ。それにあまりにも遅いから、どっかの誰かさんが発情しちまうんじゃねぇかと思ってよ……だから、それも含めて聞きに来たんだよ」  和也がそこに来たことに動揺しているのに、さらに和也は雄介の心まで見透かしたような言葉を投げかけ、雄介は顔色を変える。 「まぁ、望には無理させんじゃねぇぞ。するなら、程々にしとけよ……ってか、そんなこと絶対にするんじゃねぇからなぁ。それで、病気悪化したらよくないだろうがよ」  最初は茶化すように言っていた和也だったが、最後は真剣な口調で言うと、下へと降りて行った。  和也が行ってしまった後、雄介は大きなため息を吐く。  そして、望を切なそうな瞳で見つめ、 「冷静な俺やなくてスマンかった……」  そう言って望に向かい一礼し、言葉を続ける。 「和也の言う通りやんなぁ。病気の望に手を出そうとするなんて、ホンマに俺の方が知識なかったわぁ。それに、確か最初は望が病気を俺に移さないために、俺に近づけさせないようにしてくれておったのに、わざわざ移りに来るようなことしておったしな」 「確かにそうなんだけどよ……やっぱさ、お前が俺の目の前に来ちまったら甘えちまうんだよな。確かに俺は和也に『雄介は部屋に入れないように』って言っておいたんだけど……ん? 雄介? いつ俺が病気だって聞いたんだ?」

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