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ー崩落ー23

「ああ、せやなぁ。ほなら、望の病気がうつったら、俺は望に看病してもらうってことでええんやんな?」 「ああ……」  雄介は望の言葉に安心すると、 「ほな、早速、何をして欲しいん?最初は水分摂ったりご飯食べたりした方がええんやろ?」  そう雄介が望に言った直後、急に大声を上げる。 「望のこと着替えさせるのに夢中になっておったんやけど……俺がここに来た理由っていうのは、お粥作ってきたんやったわぁ!流石にもう冷めてもうてるよな?」  雄介はテーブルの上に置いてあるお粥が入った丼に手を当てると、やはり、お粥は冷めてしまっていたようだ。 「とりあえず、これ……温めてくるな……ちょっとだけ待っててくれへんか?」  雄介は望にそう言うと慌てて下へと降りて行く。  すると和也たちはすでにお風呂から上がって来ていたようで、雄介がリビングに入るとソファでイチャイチャしている姿が目に入る。 「もう、風呂に入って来たんかいなぁ?」 「ああ、ありがとうな」 「そんなこと、気にせんでええって」  雄介はそう言いながらキッチンへと向かい、丼を再び鍋に入れて温め始める。 「あれ?どうしたんだ?お粥って確か……一番最初に持って行ってたよな?」  わざとなのか、和也がそう聞く。 「ん……あ、まぁな……着替えさせるのが精一杯で、望に食べさせるの忘れておったんやって……せやから、温め直しに来たっていう訳や」 「そうだったのかぁ。しかし、着替えさせるだけで、すっげぇ! 時間掛かってたんじゃねぇ? ん? 雄介君……お粥が冷めるまで望と何をしてたのかな?」  和也がからかうように雄介に問う。 「……へ?ってなぁ、和也が思うてるようなこととは違うよ。ま、危うくいきそうにはなってもうたんやけどなぁ。そこはさっき和也が来て止めてくれたし、なんとかそこは抑えられたんやけど、大丈夫やったっていうんかな?」  雄介がそう言った直後、何かを思い出したように急に顔をニヤけさせて、 「な、和也、聞いてくれへん?もうな……俺が危うく病気の望を襲いそうになったっていう理由をなぁ」  雄介は一旦言葉を止めると、さらに顔をニヤけさせて、 「あんなぁ、今日の望はむっちゃ素直やったんだって……『キスしてー』とか『お前のこと誘ってるー』とかな……そりゃ、そないなこと言われたら、俺のムスコさんにドストライクやっちゅうねん! もう、ホンマ我慢出来んかったっていうんかな?」

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