「ま、ええわぁ。　とりあえずな、空いた皿置いて来るな。　望はもう寝てた方がええんと違う？　俺の方は暫く戻って来ないと思うしなぁ。　皿とか洗わないといけないし、風呂にも入って来ないといけないしな」 　その雄介の言葉に望は何か言おうとしたのだが、流石にこれ以上雄介にわがままな事は言ってはいけないとでも思ったのか布団の中へと潜り雄介とは反対側に体を向けてしまう。 　雄介はその望の行動がわかったもであろうか。　だが、まだまだ元気がある雄介には色々やる事があるのだから家での仕事をやってからじゃないと横にはなれない。 　望に悪いと思いながらも雄介は望の体を布団の上から軽く撫でると、 「ホンマは望の側から離れたくないんやけど、でもな、俺にはまだやる事あるしな。　ホンマ、スマンなぁ」 　それだけ望に伝えると雄介は再び下へと向かうのだ。 　すると、もう夜の十一時を回っているというのに裕実と和也は起きていてテレビを見ていた。 「まだ、起きておったのか？」 「……って、まだ、十一時だぜ。　子供だってまだまだ起きてる時間だろ？　何々？　早く俺等の事を寝かせて大人の時間そ過ごそうとしているのか？」 　そう和也の方は茶化すように言うのだが、逆に雄介に茶化し返されてしまう。 「さっきから、そういう事ばっか言うお前の方が欲求不満なんと違う？」 　雄介の方は一瞬それを言ってニヤリとしたのだが、素直な和也は全くもって隠す事なく、 「そうだけどー！　暫く裕実の事抱いてないようなきがするからさ、もう！　そこは溜まっちゃてー、溜まっちゃてー！」 「ほな、恋人がおるんやったら相手してもらえばええやんかぁ」 「なら、例の地下室貸してくれよ」 「構わへんけど、一回三千円なぁ」 「はぁああいい！？　友達から金取る気かよー！」 　そう和也の方も半分以上冗談で言うのだ。　そこは友達だからであろう。 「ま、まぁ、それは冗談やって……。　せやけど、ホンマあの地下室使うんか？」 「まぁ、そこは寝かせてもらうだけでいいぜ。　俺の方は明日休みだけど裕実の方が休みじゃねぇからな。　流石にお前等が使ってるベッドでやらせてもらう訳にはいかねぇだろ？」 「確かになぁ。　逆に俺も普段俺等が使ってるベッドを使わせる訳にはいかんしな」 「なら、地下室の方使わせてもらうな！」 　和也はテレビのリモコンでテレビの電源を消すと裕実と地下室に向かおうとした直後、 「ん？　和也……皿洗っておいてくれたん？」