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ー崩落ー45
そして次の朝。和也は目覚まし時計で目を覚ますと、隣でまだ寝ている裕実を軽く揺すって起こす。
「裕実……朝だぜ。早めに起きて、望のところに行くんだろ?」
裕実は眠そうに目をこすりながら大きな声で、
「はい!」
と答える。
「望さん、大丈夫ですかね?」
「大丈夫だろ? 容態がヤバくなったら、院長のことだから俺たちのこと呼びに来るだろうしな」
「ですよねー」
裕実は和也の言葉に安心したように笑顔を見せ、勢いよく起き上がって体を伸ばす。
「よしっ! 裕実も起きたことだし、望のところに行くかっ!」
朝から元気な和也だったが、裕実はそんな和也に質問を投げかける。
「和也……雄介さんに、このこと連絡しなくていいんですかね?」
「あー!」
和也は驚いたように声を上げる。
「忘れてたぜー。そうだよな、このこと雄介にも連絡しておかないとな? とりあえずメールくらいは入れておかないとだよなぁ? さすがに帰宅して誰もいなかったら心配するだろうし」
和也は携帯を取り出し、雄介にメールを送り、
「これで、よしっ!」
と呟くと、裕実の手を取り、軽く唇を重ねる。
「和也!」
「たまにはいいだろ? 最近こんなこと、全然できてなかったんだからさ」
裕実は少し呆れたような表情を見せたが、和也の言葉に笑顔になると、
「ですよねー! 僕たちは恋人同士なんですから、こういうことを朝からするのが当たり前なんですもんね」
「ああ、そうだろう? ヤダなぁ、最近俺たちイチャイチャしてねぇから忘れちまったのか? 俺たちは恋人同士なんだぞ!」
「違いますよー! なんだか久しぶりにこんなことされて、ただ恥ずかしいだけですっばっ!」
「そっか……ごめんな。最近忙しすぎて、こんなことしてなかったからなのかもしれねぇよな?」
「ですよー」
「ま、望の病気が治ったらさ、たまには休みの日くらいデートしようぜ」
「はい!」
裕実は嬉しそうに返事すると、二人は部屋を出て、望がいるであろう病室の方に向かう。
ちょうどその時間、病棟では朝食の時間なのか、廊下には患者用の食事が運ばれてきていた。
和也と裕実は望がどの病室にいるか知らない。各病室の壁には名札が貼ってあり、二人はそこで望の名前を探す。
そして、廊下の一番奥にある六人部屋の壁に、望の名前を見つけるのだった。
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