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ー崩落ー100

 それを見ていた和也は、 「雄介が標準語使うと気持ち悪ぃ(わりぃ)」 「仕方ねぇだろー。使わなきゃいけない場だったんだからよ」 「しっかし、カメラマンはそんな場面まで写しておくのかな? って思ったんだけどよ」 「そこは分からないけどさ。あれなんじゃねぇのか? 雄介は救助隊だから、ただ単に救助の様子を聞きたかったんじゃねぇのかな? だから、カメラマンもそこに来た雄介のことを撮ってたんじゃねぇのか?」 「ああ、まぁ……そんな感じだったしな」  その時、望の携帯が震えた。  望は携帯の画面に視線を移すが、そこには見覚えのない電話番号が表示されていて、少し首を傾げてしまう。この番号に出ても大丈夫なんだろうか? 確かに見覚えはない。しかし、何か心の中で出たほうがいい気がして、雄介からかもしれないとも思った。いや、雄介なら番号も違うし、今は救助隊として仕事中だ。それでも、もしかしたらという思いもあり、望はその電話に出た。 「はい! もしもし……」  誰だかわからないため、少し警戒しているようだ。 「あ! 望かぁ!?」  その電話の相手の声に、望は目を見開いた。まさか本当に、自分が思っていた相手からの電話だと知り、少し安心する。 「さっきな……隊長から『春坂病院の人達が居るらしい』って聞いてな。ほら、春坂病院って、俺等の消防署から近いやろ? せやから、病人とか怪我人とか搬送しとるやろ? だからな、隊長も知ってて、ビックリしてたみたいやぞ。しかも、ウチの連中も世話になっとるしな。……ほんで、やっぱ、望達はそこにおんのか?」 「そういうことか……。とりあえず、俺等はマジでトンネルの中だよ。今はトンネルの中にある非常用の避難所にいる。もう、今まで使っていた道路の方は火の海状態だ。とりあえず、この避難所のドアは一応頑丈に作られてるから、火と煙は中には入ってこないけど、すぐ隣でガソリンが引火して、ここもじわじわ高温になりつつある。だから、この避難所もいつ蒸し風呂状態になるかわからないし、酸素だっていつなくなるかもわからないからな……」

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