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ー崩落ー133

「俺は手伝わへんけど……イきたかったらイってええよ……」  その雄介の言葉に望は安堵したのか今まで中に入れていた指を抜きローションでヌルヌルになった手のまま自分のモノをギュッと握り動かしラストスパートを掛けるかのようにそのまま一人で(たっ)するのだ。  望の方は肩で呼吸をしながら体をベッドへと預ける。  一度イってしまった体は久しぶりにスポーツでもしたかのように体が怠く思うように動けない。  雄介も望の横に横になると、 「スマンな……望の事こないな風にするつもりはなかったんやけど……」  そう言いながら雄介は優しく望の背中を撫でた。  望は荒い呼吸を繰り返しながら、 「はぁ……はぁ……今日はいいんだよ……俺がお前の事……はぁ……ちょ、挑発したんだからな……」  雄介は望の言葉に間を空け、こう何事もなかったかのように言葉を続ける。 「……せやったな。 ほな、もう寝ようや……明日また早いんやし」  布団を手にし布団を掛けたのだが、流石の望も気付かない訳がないだろう。 「お前なぁ! 俺だけを気持ちよくさせておいてどうするんだよっ! 馬鹿かっ!」 「あ、いや……そういうつもりやなくてな……反省や反省……。 今日は望の事を意地悪な事させたし、そこまでして、更に自分が気持ち良くなるのは、やっぱ、俺には出来へんのやって……せやから、もうおしまいって事なんや」  望はベッドの上に座り雄介の顔を真剣な瞳で見つめると、 「雄介の馬鹿っ! 優しいっていう事にも程があるんだよ! 俺に対して今日は意地悪したから……自分はしないって? って、それって、どういう意つもりだ!? だって、そこは俺がいいって言った事だろ? なら、雄介だって最後までやる権利はあるし。 それに、雄介は俺の気持ちなんか一切分かってないじゃねぇかよっ! 俺がどんな恥ずかしい思いしてお前の言う事聞くって言ったかわかってねぇだろ? いや、寧ろ最初に言っただろ? 俺達って恋人同士じゃねぇのか? ただ体を繋げるだけの仲じゃないだろうが……だったら、雄介も最後まで気持ち良くなる権利はあると思うんだけどな」

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