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ー崩落ー134

 雄介は望のその真剣な言葉に一生懸命考えると、 「……確かに……今のは俺が悪かった。 ホンマ、ゴメン」  雄介は望に向かい頭を下げる。 「こないに長く望とおるのに望の気持ち全然分かってなかったのは俺の方なのかもしれへんな。 俺が望の事が好きがいっぱい過ぎて、逆に望の気持ちの方を考えてなかったみたいやわぁ。 望の言う通り、恋人同士なんやからお互い様って事やんな。 ほなら、望……俺の事も気持ち良くさせて」  いきなり素直になった雄介に、望はどうしたらいいのかが分からなくなったのか、とりあえず恥ずかしげに顔を俯ける。 「ほなら、俺はどうしたらええ?」  そう言うと雄介は半身を起こす。 「今度は望がしたいようにしたらええから……これならお互い様やろ?」  今さっきまでは勢いで言ってしまっていた望、だが今は急に素に戻って来てしまったのであろうか顔を真っ赤にさせてしまっていた。 「望がそう言ったんやから、ホンマに望の好きなようにしてええんやで……」  確かに望は雄介にそう言ったのだが、いきなり『好きにしてもいい』と言われたからって今まで望は雄介の事こういう行為の時に動かした事が無い為か戸惑っているようにも思える。  望は暫くそこで動けないでいた。 「やっぱ、出来へんか?」  雄介の方は頭を掻きながらベッドの上へと横になる。 「ほなら、俺はこのまま寝るし、今日はこれでおしまいでええよな?」 「だから、それは流石にダメだって言ってんだろっ!」 「ほなら、望の好きなようにしてええって……」  その雄介の言葉に再び黙り込んでしまう望。  という事は雄介から望への選択肢は二つしかないとう事だろう。  暫くの間、二人の間には沈黙が流れたのだが、やっとの事で望は口を開き、 「分かった……。 下手かもしれねぇけど、俺がお前の事を動かせばいいんだろ?」 「ああ、まぁ。 望はそれでええんやんな?」  そう言うと雄介はベッドの上に体を起こす。 「……ほんで、望はどんな風にして欲しいん?」  望は瞳を宙へと浮かせ雄介から視線を離すと、 「とりあえずはだな……その……キ、キスから……あー、キスしたいかな?」  その望の言葉に雄介の方はクスリとすると望の唇に唇を重ねる。  そして雄介の方は数秒もしないうちに離れ、 「次は?」  と先を急かせるように言う雄介。

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