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ー崩落ー135
望は雄介の言葉に何か言いたそうに口をパクパクとさせていたのだが、自分では言えない事に気付いたのか諦めて次の指示を雄介に出すのだ。
自分から何かを求めるなんて事は今までにはない望。 どちらかと言えば普段の望はマグロなのだから自分からっていうのはした事がないからなのかもしれない。
だが今日は望自ら雄介の事を誘惑し、望自ら望んだ事をしているのだから文句を言える立場ではない。
「次は……? お前のを俺の中に挿れる? ってことかな?」
「望はそれもうしてええの? いきなり挿れられたら痛いやろうし、俺の方はまだちゃんとは勃ってへんねんで、このままじゃあ、望の中に挿れられへんし、俺の方もまだまだこのままでは達けへんやろうしな」
「だってよ……次って言われても俺にはそんなに経験した事ないし、いつも俺はお前に流されるままで終わってるしな……だから、分からないっていうのが本音っていうのかな?」
「なら、望は少しくらいは女性との経験はあんねんやろ? そしたら、それを思い出したらええねんと違う? キスの後はいつも何しとった?」
「あー、それなら、首とか胸とか舐めてたような気がする」
「それなら、それでええんと違う?」
雄介はそこまで言った後も何も言わずにそこに座っているだけだ。
「あー、もう、分かった……」
再び望は顔を赤くすると、
「雄介……俺の体舐めてくれねぇか?」
望はもう恥を忍んでなのか四つん這いの姿になると雄介の事を上目遣いで見上げ瞳を潤ませている。
そんな姿を見てしまった雄介は生唾を飲み込み、その勢いで望の事をベッドへと押し倒すと、先ずは唇をペロリと舐め何度も何度も望という存在を確める為にキスを繰り返すのだ。
それから雄介の中で何かが吹っ切れたのか、もう望に何か要求する事はなく自分が満足するまで望の体を舐め続ける。
唇をこれっていう位堪能すると今度は耳へと舌を滑らせる雄介。 それとほぼ同時に望は声を上げるのだ。 きっと望の一番弱い部分というのは耳なんであろう。
「ふぅ……ぁ……」
そういう声を上げながら口を押さえてしまう望。
「ゆ、雄介……っ! そこはっ!」
「気持ちええ所なんやろ? 望の声聞いたら分かるし、ホンマ、望は耳が弱いって事なんやな」
雄介は今度その耳に息を吹き掛けると、
「ちょ、雄介っ! やぁ……って!」
「嫌って言われてもうたら人間、余計のやりたくなるもんなんやで……」
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