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ー崩落ー139

「今日の望はむっちゃ無茶し過ぎやで……。 ま、いつもより気持ち良かったのは確かやけどな」  そう独り言のように呟くと、完全に体から力が抜けてしまった望の体をベッドへと横にさせ、軽く望の体を拭いて上げると雄介の方はお風呂場へと向かいシャワーを浴びる。 出る間際に雄介はタオルを濡らすとそれを望の所へと持っていって望の体を拭くのだ。  雄介が望の体を拭いていると、望は軽く目を覚ましたらしく、 「雄介……?」 「ん? 何?」  今まで半分意識がない状態だった望だが、急に我に返るとさっきの行為の事でも思い出したのか顔を真っ赤にしていた。  雄介はそんな望を軽く見ながらタオルを置いて来るとバスローブを見に纏い望にもそのバスローブを着させ望の横になると布団を掛ける。  そして雄介は望には何も告げずに背中から望の事を抱き締めて瞳を閉じるのだ。  こんな時の望は何も声を掛けない方がいいのは雄介も知っている。 そう望というのはこういう行為の後に構われるのが、あんま好きではないようで下手に変な事を言うと、望の事を怒らせかねないからだ。 今の望には『触らぬ神に祟りなし』というのが一番いいだろう。 ただ無視するのだけはただただ寂しいだけだ。 だからこうして雄介は優しく望の体を撫でる事をしている。  やがて二人は眠りにつき翌朝を迎えた。  雄介は起きると着替えてベッドの端へと座りベッドの横にある壁掛けのテレビを見ながら雄介は望が起きるのを待っている。  いつもと変わりないニュース番組。 相変わらず政治関係のニュースばかりでもう本当に呆れてしまう。  例え首相が変わった所で何も変わらないのが日本だ。 景気も人々も何もかも変わったという試しがなかったようにも思える。  それに最近の政治家というのは不祥事も多い。  そんなのばかりなのだからいつまでも日本が変わる事はないだろう。  そんな中でも雄介がやっている仕事というのは不景気なんか本当にない仕事だ。 いや雄介がやっている仕事というのは特にお金を目的としている仕事ではない。  ただただ人の為に働いている仕事なのだから。  誰かが救いを求めてきたならば直ぐに助けに向かう。  お金を積まれたからって仕事をする訳でもない。 目の前に人の命がある限り一生懸命にその人の命を助け出す。 「はぁー、相変わらず……お偉いさんっていうのはアカンのな……」  雄介はため息を吐きながら半身だけをベッドの上へと乗せ天井へと視線を向けるのだ。

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