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ー過去ー41

「ま、色々あって、とりあえず、和也はさ、今は裕実の方が好きだっていう訳だ。だからさ、先ずは本宮君と和也の事を離してやらなきゃいけねぇだろ?」 「あー、確かにそやな……」 「だからさ、和也は本宮君と誰かをくっつける為に恋のキューピットをやるって言葉になったって訳だ」  雄介は望の言葉に相槌を打ち、聞いている。 「……で、先ず、候補に上がっているのは新城なんだよな」 「あ、アイツなぁ。俺の足を気持ち悪く触ってきた奴な」  雄介にとっては、そういう印象でしかないだろう。 「そいつは裕実と今はコンビを組んで仕事をしている。……で、本宮君の方は今はまだ指導されながらだから、和也と一緒に仕事しなきゃいけないからさ。だから、本宮君と新城をくっつける為に今は新城と和也がコンビ組む事にしたんだよな……」 「へぇー、そうなんやー、和也はあんなに新城と組むの嫌がってたのにな。和也自らその為に新城ん所に行ったんやなぁ」 「俺もそう思ったさ……アイツ、もう、新城の方は何もしてこないから平気ーーとか言ってたしな。それで、一応、俺の方は親父にその事を報告しなきゃならなかったしさ、俺は親父の所に行ったんだよな。で、俺は何も親父に聞いてなかったのに、俺の顔で何かピンとでも来たのかな?親父がさいきなり『本宮実琴君と本宮裕実君の関係を知ってるかい?』って聞いてきたんだよな。まぁ、その時は丁度、俺達の方も二人の事が気になってたし、聞いてみたんだよ。それで、親父はあの二人は正真正銘の兄弟だっていう事を教えてくれたんだよな。その理由が、本籍は一緒だって言ってたんだよな。ま、親父には何でその話題が出てきたっていうのは聞けなかったんだけどな」 「本籍が一緒やっていうんやったら、確かに兄弟っていうのは確定的な事なんかもな。何や、俺が知らん間に色々とあったっていう訳やんなぁ。」 「まぁな。ところでさ、お前はどうなんだ?男と付き合いたいっていうきっかけみたいなのはさ……。和也とそういう話をしててちょっと俺的にも気になったところなんだよな。お前とそういう話した事ねぇなとも思ったしな。ほら、女性とは一度は付き合った事はあるっていうのは聞いた事はあったけど、男性と付き合ったっていう話は聞いた事なかったしな。」 「べ、別にそこはええやんかぁ」  その話になった途端、急に雄介は望から顔を逸らして、気持ち的に顔を赤くする。 「……ってかな、その話を聞いて望は嫉妬とかせぇへんか?」  そう言いながら雄介は視線を逸らしながら、時々望の様子をうかがっている。 「別にしねぇよ……さっきも言ったじゃねぇか、俺からその話題を振ってるんだから嫉妬とか怒ったりはしねぇってな」

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