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ー過去ー60

「やっぱり、裕実って可愛いー」  和也はそう言いながら、自分の体を普通の状態に戻す。  和也が戻ると、裕実は再び和也の近くに行き、 「そんな事より、望さんの方はどうするんですかぁ?」 「んー、そうだなぁ?」  その裕実の言葉に、和也は腕を組み、ソファの上で胡座をかくように座ると、裕実に言われた通り真面目な表情で望のことについて考え始める。 「仕方ねぇ……。 また、俺達があの二人の間に入るしかねぇのかな?」 「二人の間に入るんですか?」 「あれ? 裕実は知らなかったんだっけ? 結構、俺、あの二人の間に入って仲直りさせてるんだぜ」 「なるほどー、そういう事ですかー」 「……って、どういう意味だと思ってたんだよ」 「あ、いや……何でもないですよー」  裕実は何かを隠している様子だが、和也はそこに突っ込まずに、 「とりあえず、二人が最初に喧嘩した時には、俺が雄介の家に行って話したこともあったなぁ。 まぁ、そういう事だ。 でも、今回はどうやって二人の間に入るかって問題だよな。 ほら、今は望の事しか聞いてないじゃねぇか……だから、雄介の言い訳みたいなもんも聞いてみないとだろ?」 「確かにそうですよね……。 雄介さんは明日まで帰って来ないんですもんね? なら、明日仕事が終わった後、僕が望さんを連れ出してご飯でもしている間に、和也は雄介さんと話してみたらどうですか?」 「お! たまにはそれもいいよなー! とりあえず、明日はそうしよう! なんだろ? 同じ立場で話すのも気分転換になるだろうし、それで望が望の家に帰りやすい状況を作ると!」 「そうですね!」 「とりあえず、明日はそれでいいけどさ……今日はどうするよ? アイツ、あのままじゃ明日いっぱい仕事に持ち込んでくる可能性があるけどな。 お前じゃ望のこと叱ったり励ましたりできないだろ?」 「……ですね。 そこは悔しいところですけど……和也の言う通りです」 「だよな……」  和也は再び考え始め、裕実も和也が考えている間に掃除を再開する。 そして掃除を終わらせると、裕実は着替え、和也が座っているソファの横に腰を下ろす。 「今日も望さんの家に行きますか?」 「まぁ、あの望を一人にさせておくのは可哀想だしな。 俺自身も名誉挽回のために、望に美味しくて栄養があるものを食わせてぇしさ」

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