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ー過去ー125
「おう……何だよ急にでかい声出して」
「さっき望さんが、ゆっくり出来たか? って言ってましたけど、確かに僕達は本当の恋人になるまでしないって決めてたんですけどね。 それでも、和也は自分のは抜いてくれっって言うんで、それだけはしたんですけどね。 それが、一回なら分かるんですが、これが四回もさせられたんですよ」
「四回もか!? アイツってホント元気なんだなぁ。 普通、こんな歳になったんなら落ち着く頃だと思うんだけどさぁ」
と望はそうぶつぶつと言っていたのだが、急に大声を出し、
「あー! な、な、なぁ! 逆にそれが普通なんだよな!? そうそう! 好きな相手に抜いてもらうって事がさぁ!」
「多分、そうなんだと思うんですけど? でも、和也の場合には異常なだけですから」
「ま、そこはちょっと置いておいてだよ……。 あのさぁ、雄介の方も禁欲中なんだけどさ。 なんか、俺と休みの日が重なる時までしないとか言って……禁欲中なんだけどな。 だから、俺がこの前、お前のだけは抜いてやるって言ったら……アイツの場合にはさ『望に抜いてもらうくらいやったら自分で抜いてくる』って言うんだよなぁ。 だからさ、今の話を聞いて和也の方は普通なんだろうなって思ったんだよ」
「雄介さんって本当に望さんの事を好きなんですね。 いいんじゃないんですか? 和也みたいな人もいれば、雄介さんみたいな人もいるって事なんですからね」
「そっか……そうだよな。 何でか人に話したら安心したっていうのかな?」
「なら、良かったですよ」
裕実は望に向かって笑顔を向ける。
そして望はロッカールームに向かい着替え。今日も一日変わらない日を過ごし、夕方には仕事を終えて、いつものように和也は望と裕実の部屋に来て大騒ぎし始める。
「ニュース! ニュース!」
「相変わらずお前はうるさいんだなぁ。 いい加減にしろって! 何回言ったら分かるんだ!?」
「まぁ、いいから……いいから……」
和也は望に向かい、落ち着いて、落ち着いてというジェスチャーをすると、そんな和也に望の方は呆れたようなため息を吐く。
そして和也はソファへと腰を下ろすと、
「昨日さぁ、焼肉屋で隣の個室に新城達がいただろ? それで静かになっちまった時があったじゃねぇか……そん時!」
そこまで溜めなくても和也が言いたい事というのが分かってしまったのかもしれない。
「朝、二人が会話しているのを聞いたんだけどさぁ。 新城のテクで実琴の事を大人しくさせてたもたいだぜ。 『まさか、あんな所でスるなんて』『あんな所でスるから興奮度が増すんだろ? いつ、店員さんが来るかも分からないし、隣には客がいるから声を出す事が出来ない状況って燃えないかい?』って言ってたしよ。 だからさ、もうある意味決定的だよな? アイツ等はもうカップルになったって事がさ」
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