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ー過去ー136
「はい……」
「お前は新城といて幸せなのか?」
「はい……すごく幸せですよ。確かに、完全に和也と離れてしまうのは寂しいですけど、また新しい恋人が僕にもできたみたいで、すごく幸せなんです。しかもですねぇ、颯斗には和也以上のテクの持ち主だったので、すごくいいんですけどね」
そう自慢げに笑顔で話す実琴に、和也も笑顔を向けた。きっと、この笑顔は二人が大学時代に付き合っていた頃のものと同じなのかもしれない。
「んじゃあ、俺たちの恋人としての関係はこれで最後になるってことでいいんだよな? 今度は恋人っていう関係じゃなくて、友達って関係でいたいんだけど、それでいいのか?」
「僕の方はそれで全然構いませんよ」
「なら、良かった……。俺さぁ、この病院に来てから、いい友達にも恵まれてんだ。だからさ、お前にも友情っていう絆の幸せを分けてやりたいんだよ。いずれ、望や裕実、それと雄介ってやつを紹介してやるよ。ま、裕実は俺の恋人なんだけどな。お前にとっては友達になるんだろうからな」
「そうなんですか……ありがとうございます」
「いやいやいや……お前に感謝される覚えはねぇよ。普通のことなんだからさ」
「それでも、なんだか、この病院に来て、今は幸せを感じていますからね。ほら、僕って同性の人が好きじゃないですか? 向こうの病院では雰囲気が堅くて、男女の恋愛も禁止されていて、友達だってなんていうんでしょうか? 上辺だけって感じで、仕事が終わった後に飲みに行くってこともなかったんですよね。だけど、この病院は新城先生が僕のことを誘ってくれたりして、そういうところも向こうの病院とは違うなーって思ってたんですよね。しかも、新城先生は誘ってくれた上に告白までしてきましたしね。まぁ、新城先生は少し強引なところもありますけど、僕からすると、むしろそれくらいの方がいいのかなって思ってるんです。悪いけど、本当、和也なんかより確実にテクの持ち主なんですからね」
その実琴の言葉に吹き出す和也。
「俺だって今は……大学時代とは違って、上手くなったつもりなんだからなぁ」
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