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ー過去ー137
「それでも、上手いんだよ。新城先生の方が。一回だけじゃ物足りないって思う僕なんだけど、新城先生っていうのは何回も満足させてくれるんだよねぇ。しかも、本物のお医者さんだから、そんなプレイとかしてくれるしね。それに言葉責めとかっていうのも当たり前だしねぇ」
最初は抗議していた和也だったのだが、実琴の話を聞いているうちに、自分が未熟だということに気付いたのであろう。
「あー! 負けた! 絶対に負けたくねぇ奴に負けたかもしれねぇな……。確かに実琴っていうのはMだけど、実琴は確実に俺では満足できてなかったってわけだろ? あー、もういい! 実琴は新城に渡すよ! お前も幸せなんだから十分なんじゃねぇ?」
「うん!」
「んじゃ、そろそろ、それぞれの相手のとこに戻ろうか? お前も明日は休みなんだろ? 今のうちに新城に連絡しておけよー。とりあえず、お前のことを病院まで届けるようにするからよ」
「あ、いいよ。春坂駅で……。和也と話し合いが終わったら新城先生に連絡して春坂駅で待ち合わせするようにしているからさ」
「そうなのか? なら、春坂駅ならすぐそこだから、お前のことは春坂駅で降ろせばいいんだな」
「うん!」
「分かった」
和也はそう言うと、車を春坂駅の方へと向かわせる。実琴をそこで降ろすと、和也は望の家に向かう前にスーパーへと寄るのだった。
今夜は望の家でパーティーをするつもりなので、必要な物を揃えるためだ。
ケーキや唐揚げ、その他にも色々と買い揃えた後、和也は望の家へと向かう。
本当は、時間があれば久々に手の込んだ料理を作ろうと思っていたのだが、今日の和也には望の誕生日のほかに用事があったため、仕方なく惣菜で済ませることにした。
そして和也が望の家に着いたのは夜の八時だった。
和也は望の家のドアを開けると、いつものように大きな声で、
「ニュース! ニュース!」
そう言いながら、望たちがいるであろうリビングへと向かう。すると、主役である望と裕実がリビングで飾り付けをしており、テーブルの上には和也が来るのを待ち望んでいたかのように料理が並べられていた。
「あれ? 食べ物買ってきてたんだな」
「ケーキだってちゃんと買ってきていますからね」
「あとちょっと遅かったら、俺たち先に食ってたくらいなんだからな」
「なんだよー。望が主役なんだから望が出さなくてもよかったのに……俺の方もいっぱい買ってきちゃったのにな」
和也はそう言うと、買ってきた物を掲げる。
「和也が遅いのが悪いんだろー」
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