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ー過去ー148
「ちゃんと、それも休みの日に考えておったわぁ。で、後はレストランの予約もしといたしな」
「んじゃあ、雄介」
『頼むぞ』と、望は言葉を続けようとしたのだが、ふと今日の雄介が多分寝不足であることを思い出した。
「やっぱ、ダメだ……。悪いがお前が完璧な状態になるまではドライブする事にするよ」
「えー! せっかく、俺が考えたルートがあるっていうのにか!?」
「ああ、絶対にダメだ」
雄介はその望の言葉に項垂れる。
「ほなら、今日は逆に外に出ぇへん方がええんと違う? とりあえず、レストランの方は予約しとるから、夕方には出掛ける事にしてな」
「……って、事は昼間っから、あの地下室を使うのか!?」
「ん……まぁ、そうやねんけど、やっぱ、嫌か?」
「いや……そういう訳じゃあねぇんだけどさ。それについては前から約束していた事だしよ」
そう言いにくそうに言う望。
「ただし!」
望は急に真面目な顔をして雄介を見上げると、
「一時間でもいいから寝てからな!」
「……もう、望には勝てへんわぁ。分かった……少し寝てからな」
「ああ。とりあえず服はしまってさ、後で出掛ける時に着て行ったらいいだろ?」
さっきまで望は怒っていたのだが、急に優しい口調に変わり、そう諭すように言う。
「せやな……ほな、家着に着替えて来るわぁ。望は着替えるん?」
「俺の方はいつもと変わらない私服だから、着替えなくてもいいよ」
「ほな、地下室に行っておって……」
「……へ? もう、するのか!?」
「違う、ちゃう、ちゃう……さっき望が寝てからっていうたやろ? せやから、そこで寝てから、そのままそこでシた方が効率がええんかなぁ? って思うてな。あの地下室やって、一応はベッドがあるんやし、寝る事は出来るやろ?」
「まぁな……」
「ほな、着替えてくるわぁ」
「ああ……」
そう望は答えるものの、久しぶりの地下室に足が進まない。
望が未だに行くか? 行かないか? と迷っていると、雄介はすでに着替えてきたらしく、いつものようにTシャツにジャージ姿で降りてきた。
「なんやねん……まだ、行ってなかったんかいな」
「あ、いや……まぁな」
そう言いにくそうにしている望に気付き、雄介は望の腕を引くと地下室の方へと向かうのだった。
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