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ー過去ー167

「ぁ……ん……ぁあ!!」 「久しぶりやっちゅうのに、ええ声上げるやんか……って事は痛くはないって事やんな」  望はその雄介の言葉に雄介の方へと視線を向けると、涙目で頭を頷かせる。 「ほなら、良かったわぁ。 ん……俺の方がヤバなってきてんねんけどな。 望ん中ってこないに気持ち良かったんやっけな?」  雄介は一旦、腰の動きを止めてひと息吐き、腰を引くと一気に望の奥へと挿れるのだ。 「ん!」  一瞬、望の方は息が止まりそうな声を上げたのだが、次の瞬間には肩で荒い呼吸を繰り返し始める。 「やっぱ、望はココがええんやな?」  雄介はゆっくりと腰そ動かすのだが、望が一番いいポイントを見つけると再び腰を動かし始める。 「ぁ……はぁん……ぁ! ぁあ!」  望は雄介が腰を動かす度にそう言った声を上げるという事は本当に気持ちがいいからなんであろう。 「望がええ声を上げてくれると……俺の方も益々元気になってくるわぁ。 もう! ホンマ……望の中っていうのは気持ちええもんやなぁ」  望は息を切らしながら雄介の方に顔を上げると、 「それは、俺だからだろ? それなら、俺の方は嬉しいんだけど……」  雄介は、望のその言葉に一瞬目を丸くしたのだが、 「ホンマ、望は変わったんやな……」 「ああ……まぁ、なぁ。 人間っていう生き物には言葉っていうものがあるんだ。 大切な言葉っていうのは口にしないと伝わらないってお前が教えてくれただろ? だから、今は言うようにしているだけだよ。 それに、毎回ビックリしたような顔すんなよな」 「まぁ、そうやねんけどな。 ただ単に俺がお前のその素直な言葉に慣れない感じなだけやって……」  望は雄介に向かい意地悪そうな表情を向けると、 「じゃあ、前の俺に戻ってやろうか?」  雄介はその望の言葉を聞いて、 「アカン! アカン! 絶対にアカンって! ホンマ、今の望でええからな」  そう言いながら雄介は望の体を抱き締める。 「分かってるよ。 せめて、お前の前だけでも素直で居られるように努力はするからよ。 それよりか、お前は動かなくていいのか?」  その望の言葉に今度雄介の方が意地悪そうな表情をし、 「何? それは早く俺に動いて欲しいって意味でもあるんかいな?」  望の方は普通に言ったつもりだったのだが、雄介にそう返されてしまい望の顔が久しぶりに真っ赤になってしまうのだ。 「あ、アホっ! そういう意味じゃねぇって!」  真っ赤になってしまった顔を隠す為か望は顔を枕へと押し付ける。

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