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ー天使ー4
「まぁ、そういうことなんやけどな」
「まぁ、それはいいとしよう。仕事はどうするんだよー。俺らの仕事っていうのはさ……家にいる時間が少ないんだぞ……」
「俺の方は一日置きに家にいるし、望は土日以外は十九時以降に帰宅できるんやろ?」
「まぁ、そうだけどよ……」
「俺らがいない間は託児所みたいなところに預けたらええんちゃう? つーか、この辺に託児所みたいなところってないんか?」
「あー、それなら、うちの病院の敷地内にあるなぁ」
「ほんなら、そこに預けたらええんやない?」
「そだな……」
「ま、とりあえず当分の間はそこでええか……」
「ああ、まぁな……」
二人は雄介の姉の子供について話し合い、一応の方針を決めると、雄介は膝の上で大人しくしていた琉斗を持ち上げた。
「琉斗……この人がおじちゃんと一緒に住んでる望兄ちゃんな」
その紹介の仕方に、望は思わず笑いそうになった。
確かに琉斗にとって雄介は叔父にあたるが、雄介自身はまだ「おじさん」と呼ばれるには若すぎる。そんなギャップがおかしく感じたのだろう。
「望兄ちゃんだね……」
琉斗は納得した様子で、雄介の膝から降り、望の前に立った。
「暫くの間、宜しくお願いします」
そう言って、ぺこりと頭を下げる琉斗。
五歳児というのはこんなものなのだろうか。望にはよく分からなかったが、雄介の甥に作り笑顔を向けた。子供が苦手な望にとって、それが精一杯だったのかもしれない。
「ああ、宜しく」
望は短く返事をしたが、どこかぎこちなさが残っていた。その様子から、彼が普段から子供に接する機会が少ないことが伺える。
「よっしゃー! 二人の挨拶も済んだし、飯でも作ろうかな?」
雄介が立ち上がろうとしたその瞬間、望は慌てて雄介の腕を掴んだ。
「ちょ、ちょー……雄介待ってくれよ。お前が飯作りに行くってことはさぁ、俺はこの子と暫く一緒にいなきゃいけないってことになるんだろ?」
「そりゃあ、そうやろな……。って、望に琉斗のこと任せても大丈夫やろ?」
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