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ー天使ー6
「雄介が患者さんとして病院に入院してきて、そこから知り合ったんだよ」
「そうなんだね。 ねぇねぇ! おじちゃんってカッコいいよねー!」
「ああ、おう……そうだな……確かにカッコいいのかもな。 琉斗君は特に雄介のどこがカッコいいと思う?」
その望の質問に琉斗は、一瞬、首を傾げながら望のことを見上げる。
「望兄ちゃん……何を言ってるの? 僕が言いたいのは……おじちゃんが消防士さんだからカッコいいって言いたかったんだけど……それ以外はおじちゃんは普通のおじちゃんだから!」
子供との視点の違いの差ということだろう。
「あ、そうか……雄介は消防士さんだからカッコいいのかぁ、確かにそうなんだよな」
望はひと息吐くと、やっと雄介からの声がかかり、料理ができたようだ。
「料理できたでー」
「ご飯できたみたいだから行くか……」
そう半分独り言のように、半分は琉斗に言うように言うと、望はソファから立ち上がる。
「うん!」
望は立ち上がると、琉斗と一緒にリビングテーブルの方へと向かう。
テーブルの上には望や雄介用のお皿と、琉斗用に雄介が作ったお子様ランチが乗っていた。
琉斗はそのお子様ランチを見て、興奮しているらしく、目を輝かせている。
「おじちゃん! すごい! すごい! お家でお子様ランチが食べられるなんて思ってなかったよー」
「とりあえず、大人しく食べような……。 ご飯の時は大人しく食べるって、幼稚園で習ったやろ?」
そう言いながら雄介は琉斗の頭をポンポンと撫でる。
「うん!」
琉斗から大きな返事がすると、雄介の方は手を合わせ、
「いただきます」
その雄介の後につくように、琉斗も手を合わせて、大きな声で、
「いただきます」
と言うのだ。
今日の夕飯の時間帯というのは不思議な感じがするのは気のせいだろうか。 確かに大勢で食べるのは和也たちが来た時に経験しているのだが、今日は和也たちではない。 だから、いつもとは違う感じがしているのだろう。
子供がいることで、いつもとは違う感じがしているに違いない。
それに、まさかこの家に子供が来るとは思ってなかったのだから、余計に違和感を感じているのだろう。
「そういえば、望……。 俺の姉貴の容態って、どんな感じなんや?」
こうぼんやりと考え事をしていた望だったが、その雄介からの質問にワンテンポ遅れて返事をし、
「……へ? あ、ああ。 大丈夫だって……ちゃんとそのところは俺が責任もって治してやるからさ。 あ、まあ……容態の方は安定してるかな?」
「とりあえず、姉貴のことは望に頼むな」
「ああ、分かってるよ。 ま、安心して待っててくれよな」
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