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ー天使ー146
琉斗たちのお遊戯が終わると、昼食の時間になり、琉斗は美里たちがいる席にやって来た。
琉斗は席に来ると美里の姿を見つけ、
「お母さん!」
そう言って、美里の体にしがみつく。
「お母さん、来てくれたんだね!」
「元気になってきたから、琉斗の運動会を見に来られたのよ」
「良かった!」
琉斗の笑顔に、美里も微笑んだ。
「ほなら、飯食おうか?」
雄介は朝早く起きてお弁当を作っていた。それをシートの上に並べると、
「ホント、雄介ってすげぇなぁ」
「朝早くに起きて、一生懸命作ってたぜ」
その中には、琉斗のためなのだろうか、キャラクターの顔を模したお弁当があった。
「これ、琉斗のなぁ」
琉斗はそのお弁当を見ると声を上げ、はしゃいだ。
「雄介おじちゃん! 凄い!!」
「本当にすごいわねぇ。雄ちゃん、どこでこんなこと覚えたの?」
「一人暮らししてからやな。まぁ、家におる頃から腹が減ると一人で飯作っておったけど……東京に来てからは飯は作らなあかんかったし、それに消防署でもみんなの分作らなきゃならんかったしな。せやから、飯に関しては作れるようになったんや」
「雄ちゃん、今度私にも作り方を教えてねぇ。あ、でも休みの日に雄ちゃんを借りるのは吉良先生に悪いわねぇ」
「大丈夫ですよ。俺と雄介の休みが重なる日なんて少ないですし、特に平日の昼間なら大丈夫です」
「そうだったのねぇ。吉良先生と雄ちゃんって、そんなに会える機会が少ないのかしら?」
「でも、今は一緒に住んでるからええんや。ホンマにそれで十分なんやからなぁ」
「そうなのねぇ。雄ちゃんとこういう話をしたことがなかったから、初めて知ったわ。吉良先生は雄ちゃんでいいの?」
「え? あ……」
突然そんな話題を振られ、望は動揺してしまった。危うく食べていたものを吹き出しそうになるほどだった。
「あ、はい……。大丈夫ですよ。今まで雄介とはいろいろありましたが、俺にとって雄介といることが幸せだって思っていますから」
「そう。それなら良かったわぁ。こんな弟だけど、これからもよろしくお願いしますね」
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