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ー決心ー51
そして望と雄介は、外科病棟がある二階部分を探していると、先程とは違う看護師と出会い、やはり先程と同じ質問をされながらも先を急ぐのだ。
この病院の二階には病棟もあるのだが、昼間は診察室もあるようだ。
「診察室があるのか……流石にここに居て、また、看護師か誰かに見付かったら怪しまれちまうかもな」
「大丈夫やろ? さっきみたく、『病棟を探していて迷っていました』って言えば……」
「そっか、確かにそうなのかもしれねぇな」
とりあえず望たちは歩夢を探すために、病院内をくまなく探すべく診察室へと入り、探し始める。
望たちが内科診察室から出てきた直後、白衣を着た医者と出会うのだ。
望と雄介はそこで息を飲み、その白衣姿の医者を見上げる。
すると、その医者は望たちに笑顔を見せ、
「こんな時間にどうされたのですか?」
「あ、その……うちの親がこの病院に入院してまして、今日がヤマと聞かされたもんですから、来たのですが、どうやら、この病院が広くて道に迷ってしまったみたいなんですよね。 ここは病棟ではないようですから。 外科病棟はどこになりますか?」
「それなら、あちらになりますよ」
そう、その白衣を着た医者は指さすのだ。
「ありがとうございました」
そう望と雄介は頭を下げると、その白衣姿の医者に言われた方へと足を向ける。
望たちはそのまま次の診察室へと向かいたかったのだが、やはり、まずは言われた方向に向かっておくべきであろう。
望と雄介は歩きながら、ふっと疑問に思ったことを口にする。
「俺の勘違いならいいんだけどさ。 今の時間に診察室付近に医者がいるのが不自然なような気がするんだけど? 夜に診察室付近に医者が居る必要はねぇだろ? 普通なら、夜間用の診察室に居るのなら、分かるんだけどさ」
「そうなん?」
「まぁ、この病院の方針で医者も巡回してるのなら、不自然ではないんだけどな。 それでも、診察室付近をうろうろしてるのはありえないかな?」
「まぁ、せやな。 なぁ、俺も言うていい? あの医者さぁ、こっちの方に外科病棟があるって言うてたやろ? こっちって、さっき探しておったけど、こっちも診察室と違うん?」
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