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ー平和ー21
「せやな……たまには浸かるのもええで……」
「ああ、じゃあ、そうする」
望は体を洗うと、雄介が入っている湯船に対面で座る。
「ホンマ、久しぶりやんなぁ、こんなにゆっくりしとるんは……」
そう雄介は望に向かい、普通の言葉を掛ける。きっと望の場合、雄介とお風呂に入っているということを意識してしまえば恥ずかしがって一緒に入ってくれないと思ったのであろう。
「あ、ああ、そうだな。な、雄介……さっき言ってたけど、そんなに勉強忙しいのか?」
「あ、ああ、まぁな。忙しいというのかなんて言うんかなぁ?その……和也にも言うたんやけど、俺は望に追い付けるように頑張っておるっちゅうんかなぁ?」
「じゃあ、学校の勉強の方は付いていけてるんだな?」
「とりあえずは大丈夫なんやけどな」
「って、けど……ってなんだよ」
「あ、学校の方は大丈夫なんやって。でもな、家での勉強がはかどらないっちゅうんか……予習っていうんか」
「なんだよ……ハッキリしねぇやつだな。とりあえずさ、分からないことがあったら俺に聞いてくれよ」
「せやけど、望も忙しいんやろ?」
雄介は少し申し訳なさそうに望のことを見る。
「あ、いや……俺の方はさぁ、後、三年の間にやればいいことだしさ……だから、特には忙しいないっていうのかなぁ?」
「……へ?そうやったん?なんか、いつも忙しそうにパソコン打っておったから、ホンマに忙しいんやと思っておったわぁ」
「そう言う雄介だって、そうじゃねぇか……。いつも忙しそうにしてたから、学校の勉強をしているのかと思っていたら、予習してんだろ?」
「ま、まぁ……そうやねんけど?とりあえずお互い、自分のことが精一杯で相手のことをよく見てなかったっていう証拠やな」
「ああ、まぁ、そういうことになるなぁ」
「せやけど、今日からは、望との時間をとるつもりでおるから、心配せんでええからな」
「それならさ、本当に自分で勉強して分からないことがあったら、俺に聞くんだからな」
「分かったって……」
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