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ー平和ー41
「とりあえず、僕達は呼ばれたみたいだけど……何で呼ばれたのかな?」
「ま、まぁ、とりあえず、座れよ」
と和也は朔望達に座るよう促した。
先程までは、雄介と望が隣り同士で座り、和也達がその対面に座っていたのだが、和也と裕実は雄介の右隣りへと席を移し、朔望達を対面に座らせる。
朔望は雄介の前に座ると、
「君が桜井雄介さん?」
そう笑顔で言った。
いきなり自分の名前を当てられ、雄介は目を丸くする。
「どうして分かったのか? って顔してるね? まぁ、話は歩夢から聞いていたから、この中からならすぐに桜井さんだって分かるって感じかな? それに兄さんの隣りに座ってるしさ」
「なんや、そうやったんか」
雄介は超能力者に会ったような驚きと焦りの表情を浮かべていたが、理由を聞いて安心した顔になる。
「……ってことは、和也の右隣りに座っているのが本宮裕実さんだね? ふーん、本宮さんは女顔していて可愛い顔をしてるんだね。本当、そんな可愛い顔をしてると、アメリカでは簡単に襲われちゃうよ」
初対面でのそんな言葉に裕実は顔を赤らめ、俯いてしまう。
「でも、僕は兄さんだけだから安心して……」
朔望は望の方へと向き直し、
「本当、僕達って、こんなにそっくりだったんだね。兄さんを見てると、まるで鏡を見てるようだよ。同じ顔だから、余計に燃えるっていうのかなぁ? なんかそんな顔を見てると、すっごいいじめたくなってくるんだよね。それで、僕じゃないとダメって言わせてみたいね」
そんな言葉に、さすがの雄介も反応する。
「アカン! アカン! 絶対にアカンって! もう、ええ加減にせぇよ! 歩夢といい、朔望さんといい……なんで、そないに望の事だけを狙うん?」
普段穏やかな雄介が、流石にキレたようだ。気持ちを抑えきれず、声は低く、少し大きめに響く。
「ダメだって少し強く言われたくらいで、僕が引くと思う? まぁ、歩夢は折れてしまったみたいだけどね。言うけど、僕は歩夢のように簡単にはいかないから。僕は本当はずっと兄さんと一緒に居たかったのに……兄さんは婆ちゃんにくっついたままで離れなかったから、僕達兄弟はバラバラになってしまったんだよね」
朔望はそこで一旦言葉を切った。
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