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ー平和ー108

「こんなにゆっくりとした時間を二人で過ごすのはホンマ久しぶりやんな。 それに、風呂ん中やと望の温もりを直に感じられるし」  雄介が言った『温もり』という言葉に、望は僅かではあったが反応したようだ。望は雄介の方へと顔を向けると、軽く微笑み、 「確かにそうだよな」  そして雄介と視線が合ってしまった為か、望は直ぐに正面を向いてしまう。  そんな望に気付いた雄介は、きっと望と視線が合ってしまい、望の性格上恥ずかしかったんだろうと、思いながらも雄介は言葉を続けるのだ。 「俺は忘れてないで……まだ、俺達が付き合い始めた頃、俺達は仕事でなかなか会えなくて、望が初めて俺に対して『温もり』って言葉を言ったことをな。 ホンマにめっちゃ嬉しかったんやったんだって……あの時、俺だけが望のことを好きなんじゃないってことが分かったしな。 せやから、今でも俺の心にその言葉は刻み込まれておる訳や。 ホンマ、俺……望のこと好きになって良かったわぁ。 確かに、今まで喧嘩したり、事件に巻き込まれたりして色々あったんやけど、それは、神様がくれた俺達に対する愛の試練やったのかもしれへんな。 そうやって試練を神さまに与えられて、俺達がどう成長していくか? みたいにやな」  雄介の一人語りのように思えた言葉だったが、望はそれに答えるかのように口を開く。 「確かにな……雄介の言う通りかもしれねぇな。 俺は最初、お前に告白された時、全然、お前には興味はなかったんだけどさ、試しに付き合ってみようとは思ってたんだよ。 だけど、その後に和也に告白されて、和也に告白されたのとお前に告白されたのとは違う感じがしたんだ。 でも、やっぱり、その時点でも試しに付き合ってみるか? っていう程度にしか俺は思ってなかったんだよな。 それから、お前と付き合ってみて、分かったんだ。 大学の頃に付き合っていた彼女とはお前が違うってな。 お前と居ると楽しいし、愛されているってのも伝わってきたしさ。 だから、今では俺もお前のことが本当に好きなんだよ。 もう、試しにっていう状態ではないんだしよ」  雄介は望の言葉に微笑むと、 「望からそう言ってもらえるとめっちゃ嬉しい。 俺、めっちゃ今は幸せを感じてるしなぁ」

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