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ー平和ー111

「ただ、確かめたかっただけだからよ」  その言葉に雄介は首を傾げる。  早速、望の性格が変わって来ているのであろうか。 確かに、お酒を飲むのも久しぶりで、ここんとこ望も風邪を引いて熱を出したことはなかった。 だからなのか前よりも早くも積極的な望が出て来てしまったのかもしれないのだが、まだ確証した訳でもない。  最近、望は変わって来ている。 徐々にではあるのだが、雄介の前では素直になってきているのだから。  雄介は望の様子を見ながら一口ずつビールを飲んでいく。  ビール缶の隙間から見える望。  やはり少しだが、既に顔が赤くなってきているような気がする。 「なぁ、今日はするんだろ?」  そうストレートに言って来る望。 その言葉に雄介は飲んでいたビールを吹き出しそうになる。 「ちょ、いきなり、なんやねん」 「だから、今日はスるんだろ? って聞いてんだ」  既に望の目は座っていてテーブルに手を付いて乗り出してまで聞いてきている。  やはり、こんな行動をする望は積極的な望になっているのであろう。  だが雄介は前のように性格が変わってしまった望から逃げないと決めたのだから逃げることはしない。  雄介は一つ溜め息を吐くと、 「せやね、望がええって言うんやったら、俺は構わへんで……」  そう雄介が言った途端、雄介は望に手首を取られて気付いた時には望の家にある地下室だった。 「そっか……今日の望はココでしたいって訳やな。 まぁ、ここんとここの地下室使ってなかったし、今日はココでええよ」 「なら、いいだろ?」  望はベッドの上から雄介の手首を取ると、雄介のことを引き寄せると望自ら唇を重ねる。 「ホンマ、今日の望は積極的やんな……それなら、俺もそれに答えなぁアカンよな」  流石の雄介はリードする側としては望のペースに巻き込まれたくはないと思ったのか、望の体をベッドへと下ろすと、雄介から望の唇に自分の唇を重ね更に舌を絡めるのだ。

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