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ー希望ー2

「あー! もう、うっさい! ただ、俺は服を直してやっただけだろうがぁ!」 「ん? それが、端から見たら新婚さんみたいなんだもんよー。相変わらず、二人はラブラブみたいだな」 「お前なぁー! そういうことは仕事が終わってから言えよっ! 今はそんなことを言ってる場合じゃないだろー!」  そう望が和也のことを怒っていると、和也はさっきからいつもより大人しい雄介のことを見上げる。 「お前、今日はどうした? いやに大人しいじゃねぇか……もしかして、流石に初日だから緊張してるとか?」  和也は半分ふざけたように言うのだが、どうやら図星だったらしく、雄介は和也から視線を外してしまっている。挙句の果てに、心なしか顔が赤いようにも見える。 「え? マジでー!? 雄介って、緊張することもあるんだなっ!」 「ちょ、何言うてんねん! 当たり前やろうがー、これでも、今、むっちゃ緊張してんねんでー」 「俺達と一緒に仕事でもか?」 「そりゃあな。やっぱ、初めての仕事やしー、なんやろ? 消防士とは違う緊張感があるような感じがすんねんけどな……?」 「んー……まぁ、そうなのかもな」 「って、和也は緊張感無さ過ぎなんだけどな……」 「そういう望だって、緊張感はないだろ?」 「何言ってんだよ。俺はここに来たら、常に緊張感を持ってるよ。いつ、何が起きるか分からねぇしさ。だから、いいんじゃねぇの? 初日から雄介には緊張感を持ってもらった方がさ、これから先もずっとその緊張感を持って働いて欲しいって思ってるし。命ある現場だしさ。まぁ、和也が緊張感が無いのは、医者みたいに患者さん達を間接的に助ける仕事じゃないからじゃねぇのか? 患者さんを助ける時は必ず医者を挟んでる訳だしさ」  望の言葉に納得したのか、和也は、 「なるほどなぁ、確かに望の言う通りなのかもしれねぇな。なら、これからは緊張感持って仕事をするようにするよ! それなら、いいんだろ?」 「って、そういうことじゃないんだけどな。ま、いいけどよ……。とりあえず、雄介!」  望は今度、雄介の方に顔を向け、 「とりあえず、しばらくの間、俺がやる仕事を見て勉強してくれよ。必要だと思ったことはメモしろよな」

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