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ー希望ー12

 その裕実の言葉に雄介の方は顔を俯け、肩を震わせている。きっと雄介は今の裕実の言葉に笑いを堪えているのであろう。  そんな雄介に和也は気付き、 「ちょ、お前なぁ、何で笑いを堪えてんだよー」  和也の言う通りに、とうとう雄介は笑いを堪える事が出来なくなってしまったのか、今度はお腹を抱えてまで笑い始めるのだ。 「……やぁー、だってな、裕実って、なかなか面白い奴なんやなぁーって思ってな。なんつーか……しっかりしとるって言うんかな? 偉いって言うんか? そんな裕実に和也はたじたじやんか……そこに笑えたっていうんかな?」 「まぁな。でも、そんな裕実でも俺は好きなんだからな」  そう雄介に言い返す和也なのだが、そこで急に何かを思い出したのか、 「でもさ、裕実の言う通りなのかもしれねぇよな……だってさ、ここに来てから、なんていうのか……ラブラブな事やイチャイチャな事なんかしてないような気がするしよー。なんかこう、みんながいるからいいか的な感じになっているのかもな。こう安心感みたいなのがあって、そういう気分にはならないのかもしれねぇしさ」 「ホンマやなぁ、確かに和也の言う通り、ここに来てからの一週間、特別忙しいって訳やないのに、ラブラブな事やイチャイチャな事してないような気がするわぁ」  さっきまでの笑いは何処に行ってしまったのであろうか。今度はつまらなそうな表情をしながら、テーブルと顔をうつ伏せてしまったのだから。  そんな雄介に望はひと息吐くと、 「……ラブラブな事やイチャイチャな事位っていうのはしてもいいんじゃねぇのか? それ位だったら、何があっても直ぐに動けるんだからさ」  その望の言葉に、その場にいた一同が望の方へと一斉に視線を向ける。  その視線に気付いた望は目を丸くし、 「……へ? 何!? 何か俺、悪い事でも言ったのか?」 「……へ? じゃないぜ。望、熱でもあんじゃねぇの? それとも欲求不満だとか?」 「……へ? え!?」  まだ自分が口にした事を理解出来てないのか、望の方は目を宙へと浮かせたままでいる。そんな中、雄介は望に、 「今、望が言うてた事、覚えとるか?」  雄介は望の方に視線を移すと、どうやら望も雄介の方に視線を移した瞬間に二人の視線はぶつかり、そこで望は思い出したのか、 「……へ? あ、あー!!」  きっと望は今言った自分の言葉を思い出したのか、少し顔を上げたと思ったのだが急に顔を俯かせるのだ。 「今のって、もしかして、望は無意識に口にしてたって事なのか? なるほどー、って事は逆に考えると望の本心だって事だよな?」  和也はそう一人納得すると、 「ま、そうだよな……イチャイチャな事やラブラブな事位はいいんじゃねぇのかな? やっぱ、それ位しないと恋人同士っていう感じがしないしなぁ」  和也はそこで一旦、間を置くと、

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