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ー希望ー36

「ま、そうやな。自分が選んだ道なんやし、頑張っていかなぁ、アカンしな」  雄介はそう言いながら首を動かす。  望も切りがいいところに辿り着いたのか、立ち上がり、 「さて、飯にすっかー!」  そう言うと、望も伸びをする。 「望も丁度いいとこみたいやし、みんなで行こうか」 「そうだなぁ。今日はお昼に仕事は持ち込まないし、ゆっくり食べるかな」 「ホンマ、望は頑張るんやなぁ」 「当たり前だろー。俺が頑張れるのはみんなのためだからさ」  その望の言葉に、雄介と和也は共に首を傾げる。  確かに、雄介の前では素直になってきた望だが、まさか和也の前でも素直になってきたのか? と疑問に思ったからだ。  雄介と和也は視線を合わせ、瞳をパチクリとさせていた。  そして、和也は顎を動かし、どうやら「望に聞いてみろよ」という合図なんであろう。 「あ、あのな……望、今のはどういう意味かなぁ? って思うたんやけど……?」 「どういう意味も何もねぇだろ? そのままの意味なんだからさ」 「あ、そういうことなんかいなぁ」  そう雄介は手を叩くと、和也に向かい小さな声で、 「そういうことみたいやな。なんか、望がその気やったら、頑張る気起きへんか?」 「確かにそうだよな。俺たちはその話は望の知り合いだから、一緒に仕事ができるようなもんだしさ……ほら、望のお供みたいなもんじゃんかぁ。だから、特に診療所の話は本気にしてなかったけど、望がその気なら、望についてってやろうぜ。だから、雄介も望に怒られても頑張るんだぞ! 望が本気なら、答えてやらないとダメだろ?」 「せやな! 俺も本気で頑張らなぁアカンよな」  雄介も拳を握ると、天井を見上げ気合いを入れる。 「ほら、雄介も和也も食堂に行くぞ!」  また望の言葉に首を傾げる二人。  昨日の望は昼休みまでピリピリとしていたのだが、今日の望はいつもとは違い柔らかい感じがするのは気のせいだろうか。  和也はそんな望の肩に腕を回すと、 「行こう! 行こう! 飯食いに行こうぜ!」  そう言うと、三人は食堂へと向かうのだ。

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