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ー希望ー45
雄介は食器を洗いながら、今望が機嫌を悪くしたことを考える。
「ホンマ、なんやろな? たまに望が考えていることって分からんわぁ」
そう独り言を小さな声でボヤいていると、雄介は何か思い当たる節が見つかったのか、
「まさかなぁ? 今日の望って体調が悪い訳やし……。流石にそれは……俺的にもオススメ出来へんしな。でも、確かにここんとこ忙し過ぎてご無沙汰ってのもあるんやけど。せやけど、今日か明日を逃すと、この先、いつ望を抱けるか分からんしなぁ」
そんな長い独り言を漏らすと、洗い終えた食器を棚へと戻す。
そして雄介は望がいるソファの隣りに座ると、
「確かに、今日は暇になったし、望が言いたかったことは分かったんやけど……その……望の体調が悪いやんか、せやから、直ぐに俺は思いつかへんかったんやけどな。とりあえず、望の体調が悪いようやから、オススメする事はせぇへん。それは恋人としても医者としても……。確かに、俺も望とはご無沙汰やし、望のことを抱きたいのは山々ではあるんやけどな」
「別に体調の方は雄介が心配するようなレベルじゃねぇよ。別に雄介がその気じゃねぇんならいいんだけどさ。ただ、暇なだけだったし、珍しくゆっくり出来てるしな……まぁ、今度、いつこんなゆっくりとした時が出来るか分からねぇけどな」
「まぁ、確かにそうなんやけど……」
雄介は悩んでいるのか頭を抱えてしまっている。
「ほんだったら、今日は気分を変えて、ホテルにでも行かへんかぁ?」
「……ホテル!?」
「たまにはええやんかぁ、ホテルまで行こうで……。ただし、望の体調が悪くなるようなら、直ぐに止めんねんけどな」
「ああ、分かった」
雄介は直ぐに立ち上がると、
「ほなら、車は俺が運転するわぁ」
「ああ」
確かに望は雄介に抱いて欲しいと訴えたのだが、まさか、こんな展開になるとは思ってはいなかった。少し戸惑いながらも望は雄介に付いて駐車場へと向かう。
雄介はいつのまにか望がいつも乗っている車の運転に慣れていた。
望の車は左ハンドルで、国産車とは違う。
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