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ー希望ー47
「じゃあ、いいよ! 俺、帰るからっ!」
「ちょ、ちょう……待ってぇ……って、なんやねん……いきなり、機嫌が悪くなるなんて意味が分からんのやけど……」
そう言うと立ち上がりかけていた望の腕を掴む。
「それに、お前は俺に決断力を付けろって言うたやろ? せやから、今日は俺がしたいようにしたことがいけなかったんか?」
その雄介の言葉に望は一瞬止まり、
「雄介がそうしたかったんならそれでもいい。 だけど、何かいつもの雄介とは違うっていうのか……」
雄介は望の言葉に一息吐くと、
「ほなら、俺はどないしたらええねんなぁ? 決断力を付けてくれとか言われたり、今はそれを使う時じゃないと言われたり……俺の方が分からんようになってくるわぁ」
雄介はどうしたらいいのか分からないのか頭を掻きながら言う。
「ただ、お前はまだ、切り替えが下手なだけだろ。 上手く切り替えが出来るようになれば、多分、苦労はしないと思うぜ。 俺だって、昔言われてたじゃねぇか……『素直になれ』って……だけど、今は少しずつ頑張ってるんだからな」
「せやったな。 ほんだったら、今日は俺が悪いし、とりあえず、ここに来たんやから、今日はここでええか?」
「ああ……分かったよ。 一応、金払わなきゃならないしな。 それだったら、利用してった方がいいし」
「ほなら、今日はここでって事でええやんな?」
雄介は望に笑顔を向けると、今まで話をしていて気付かなかったのだが、お風呂場から聞こえてくる水の音が先ほどとは違う音に気付く。
雄介は気になったのか立ち上がり、お風呂場の様子を窺うと、
「あちゃー、お湯が溢れておるやんか。 まぁ、仕方ない……話しておったしな」
雄介はお風呂場のお湯を止めると、望の元へと戻って来る。
「お湯溜まったみたいやけどどないする?」
「どうする? って入るしかないだろ?」
「あ、まぁ……そうなんやけどな。 とりあえずさ、今日は一緒に浸からへん?」
「雄介がそうしたいんなら、浸かってもいいけどな」
「ほなら、一緒にお風呂に入ろー?」
雄介は着ていた服を脱ぐと、それを畳み洋服棚へと入れるのだ。
どうやら雄介はそういい所も普段も几帳面な性格らしい。
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