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ー希望ー49

「お前……の後は何?」 「いや……その……いいだろ! まぁ、そういうことだ!」  望はそう言うと、雄介とは視線を外す。 「まぁ、望が言いたかったことは、『今は勃ってなくても後で雄介が勃たせてくれるだろ?』ってのを言いたかったんやろうけどな。 ま、流石に恥ずかしくて言えなくなったってことやろ?」 「あ、まぁ……そういうことだ……」  しかし望が言いたいことが直ぐに分かった雄介。 やはり、ここは長年一緒にいるからであろうか。 「ほなら、そろそろ出るかぁ?」 「あ、ああ……そうだな……」  雄介の一言で二人はお風呂を出ると、タオルで体を拭き、そのタオルを腰に巻くのだ。  雄介は先にベッドに横になると、望もその後に続いてベッドに横になる。  そして雄介は望に向かい腕を伸ばし、 「腕枕せぇへんか?」 「あ、おう……そうだな……」  完全に望は意識してしまっているのであろう。 言葉は既に動揺してしまっているのだから。 「ホンマ、スマンな……望の気持ちを考えんと、俺の勝手でこない所に来てもうて……」  雄介はそう優しく言いながら望の頭を撫で、その雄介の優しい手付きに安心したのか望は軽く目を瞑るのだ。  それから雄介は上半身を起こし望の唇にキスを落とす。  最近キスさえもしてなかった二人。  雄介は最初は軽く啄むようなキスを繰り返していたのだが、それはやがて深いものへと変わり望の舌を捕らえ、それを絡める。  それから望は鼻から甘い息を吐き、それを合図に雄介はゆっくりと望の体に触れていく。  最初は首に優しく触れ、それはやがて肌を這い鎖骨やお腹を這っていく。  久しぶりの行為に望の体を驚かしてはいけないと思ったのか、それとも雄介の優しさでこういう攻め方をするのかは分からないのだが。  しばらくの間、雄介は優しく望の体に手や指で這わせていると、望の体が少しずつではあるのだがピクリと反応し始めてきた。 「相変わらず、ええ反応やな。 もう、気持ち良くなってきたんか?」  そんな質問に望は答える訳もなく、望から聞こえてくるのは甘い息使いだけだ。

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