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ー希望ー51
「いつもの望も可愛えけど、素直な望はもっと可愛えわぁ!」
そう言うと、雄介は望の体を抱きしめるのだ。
望はそんな雄介にひと息吐く。 そして雄介の肩に両腕を回し、
「雄介……本当に俺はお前のことが好きだからな。 だから、俺の本当の気持ちを伝えたくなるんだよ。 最初の頃は本当は本気じゃなかった……だけど、俺はいつの間にか、お前のことが好きになってたんだよ。 人を好きになるっていいことなんだな」
「そうやったん?」
「それに、最初はお前のことムカつく奴だって思ってたんだけど、多分、あの事がきっかけで俺はお前のことが気になる人物って感じになっていたような気がする」
「あの時って?」
「お前が一番最初に俺の病院に入院してきて、まだ、俺の許可が出ないうちに、病室で勝手に歩いたのを見かけた時かな? 最初はムカつくって思っていたんだけど……『人を助ける』って言葉に何か共感がもてて、そこからだった気がする」
「そこは消防士と医者では同じ所やもんな」
「ってか、お前さぁ、最初の印象が悪かったんだぞ! それさえなければ、俺がお前のこと『ムカつく』って思うことはなかった訳だし」
「ん? 望んことを『女医さん』と間違えた件かぁ?」
「そうだよ! どっからどう見ても女医さんには見えないだろうが……」
「そりゃ、今はな……せやけど、ICU室での望のマスク姿だけだったら、女医さんと間違えるでー。 俺からしてみたら、目しか見えておらんかったのやからなぁ」
「それでも、男と女を間違える奴はいねぇよ! いや……でもな……俺、小さい頃はよく女の子に間違われた記憶があるぞ、それで、それを言われるのが嫌だった気がする」
「だって、望って可愛えもん……そりゃ、間違われるやろな……って……」
「でも! それでも、俺は女の子と間違えるのは嫌だったの!」
「そりゃあ、そんなに華奢な体やったらなぁ、男性と女性のギリギリのラインやと思うけど……それに、望の場合は部屋にいるからなのか、肌を白いしな。 まぁ、裕実に比べたら、男性っぽいのかもしれへんけど……」
「へ? 裕実の方が女性に見えるのか?」
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