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ー希望ー67

 二人は坂本の病室に向かい、坂本に説明をすると、坂本の病室を後にする。  雄介は望達の部屋へ戻って来ると、坂本の病状をカルテへ書き込み、 「これで、坂本は大丈夫やってことやな」  そんな雄介に望はクスリと笑い、パソコンへと視線を移す。  それから二年後。  雄介は望の元から離れ、今は裕実とコンビを組み、一人で仕事をしていた。  雄介は望と離れてしまったため、部屋は別になったのだが、望と和也達の部屋からは反対側の部屋となる。 「これで、雄介さんも立派なお医者さんですね」 「そやね。これで、やっと俺達の夢に一歩近づいたって訳やんな」 「ですよね。でも、雄介さんって凄いですよね。医大をちゃんと卒業して、まさか、医者になってしまうとは思ってもいませんでしたから」 「まぁ、みんなと一緒に働けるって思ったら、頑張ってみただけやけどな」 「そうかもしれませんが、やっぱり凄いですよ!」 「それはええとして……ほなら、そろそろ仕事しようか?」 「って、雄介さんは望さんと一緒の外科医にはならなかったんですよね?それで小児科医にした理由っていうのは?」 「望が子供がダメっちゅう話やからってのもあんねんけど、小児科医ってのは、子供の病気から怪我まで全部を診なきゃならない医者やっちゅうのが分かったんや。そう! 研修医やってる時に朔望先生んとこにも行ったんやけど、朔望先生が教えてくれたんやで……。小児科医っていうのは、子供の病気から色々と診なきゃならないからってな……だから、やりがいがあるとも言っておったし」 「そうだったんですか……」 「そいで、俺等は今度、診療所で働くことになってねんやろ?それで、俺が小児科医として居れば、怪我から病気まで診れることにもなるんやし、そうなれば何でも診断できると思って小児科医を選んだっていうのもあるんやって……。望も外科以外のことも勉強しとるみたいやけど、もし診療所で働けるようになった時に二人で診断できればベストやろうなぁーって思ったしな」 「本当、雄介さんって凄いですよねぇ。そういう所まで考えて医者になってる訳ですから……」 「ま、一応な。ま、それで、この病院に居る間も小児科医として働いていくことにしたんやけど」  二人がそんな会話をしていると、急にドアをノックする音が部屋内へと響き渡る。

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