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ー希望ー93

「まぁ、そういう島とかっていうのはさ、確かによそ者は嫌うやろうしな。別に院長って思わなくても、いつも通りにしていたらいいんと違ゃうの? それに望が不安なら、俺等もフォローするし。望は俺等のこと信用して仕事してくれたらええって思うねんけどな。どれだけ和也達と長く居たと思ってるん? 仲間を信用して頑張ってやってこうや! 俺やって、その為にも努力して医者になったんやから、望にだってやれるって! それに、何かあった時はみんなで相談し合ったらええんやしな。望だけが頑張って行こうなんて思わなくても大丈夫なんやからな!」 「ああ、分かった! お前達を信用して頑張ってみることにするよ」 今まで暗い顔をしていた望だったが、雄介のおかげで笑顔を見せ、ソファから立ち上がると、 「とりあえず、風呂に入って来るな!」 その望の言葉に、雄介は思わず転けそうになり、切り替えの早い望にため息を漏らす。 だが雄介も何かを思い出したように立ち上がると、 「ちょ、望待ってやぁ! 俺も入るってー!」 と、望の後を追い、風呂場へと向かった。 これから自分たちの病院を離れ、島の診療所で四人で働くことになる。どんなことが起こるのかは分からない。だが、この四人でやれば、どんな困難があろうと立ち向かうことができるだろう。 仲間の絆、仲間の力、仲間を信じる心があれば、必ずや希望の光が見えてくるのかもしれない。 【希望】END NEXT→【信頼】 ここまで読んで下さって、本当にありがとうございます😊 たくさんの方にしおりやお気に入りにしてもらい、私の作品を読んで頂いていることに感謝しております。 では、次の回で最終章 ― 信頼 ― となります。 最後の最後までお付き合いお願い申し上げます。 二人は一体、どんな最後を迎えることができるのでしょうか?

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