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ー信頼ー9

 暫く雄介達は子供達と戯れた後、砂浜へと腰を下ろす。 それと同時に見えて来たのは水平線へと沈むゆく夕日だ。 こんな景色だって都会では見れないだろう。 いつか見たネットの写真のようにも見えるのだが、雄介達は今ではもうその景色を実際に目にしている状態でもある。 「俺達はまだこの島に来たばっかりやから、言えんねんけど……この島はええね……そうそう! この島っていうのは、都会と違って静かやし、ゆっくりとした時を過ごしているようにも思えるしな」  その雄介の独り言のような言葉に蒼空は雄介の事を見上げ、 「そうなの?」 「ああ、そうなんよ。 蒼空達はええ所に住んでおるなーってな。 都会って言うのはな……車はうるさいし、排気ガスで空気は悪いし、人もむっちゃ多いしなぁ。 せやから、毎日のように気疲れするしな。 ほんでもって子供達っていうのは、遊び場も決められた場所や公園でしか遊べへんし、それに今の時代っていうのは子供達だけで遊んでると危ないからって屋内でゲームとかしてな。 俺も思うねんけど、子供っていうのはこうやって蒼空達みたいに外で元気良く遊ぶのが一番ええって思うてんやけどなぁ」 「ふーん……俺等なんかは逆に部屋の中でゲームしてるより外で遊んでた方が楽しんだけどな」 「せやろ! やっぱり、子供もっていうのは、そうでないとなぁ! ま、ええわぁ……とりあえず、もうすぐ陽が暮れてまうし、今日はもうバイバイやなっ!」  そう言いながら雄介はその場に立ち上がるのだ。 「流石に陽が暮れる前に帰らないと、俺達も母ちゃんに怒られちまうしな!」  蒼空は星花の手を取ると自転車へと跨り雄介に手を振ると家へと向かって行くのだ。 「ほな、俺等も帰るかぁ」 「ああ、そうだな……」  二人は子供達の事を見送ると、診療所の方へと向かって行く。  そして雄介と和也が帰宅して来ると、さっき望が言っていた通りに荷物が届いていたようだ。 「荷物、届いてたんやなぁ」 「まぁ、一応な……」  その雄介の質問に何故か不機嫌そうに答える望。 「とりあえず、お前等なぁ、その水着姿で家ん中、うろついてないで先に風呂に入って来いっ! 海に入って来て、体中砂だらけだろうがっ!」  その望からの指摘に雄介は自分の体を見ると、確かに望の言う通りに体中、砂だらけで苦笑いをすると、 「はははぁー! 確かに望の言う通りやんな……」 「とりあえず、俺達は風呂に入って来てからって事で! 雄介っ! 二人で風呂入って来ちまおうぜ!」 「せやな」  二人はお風呂場へと向かうと、望は未だ不機嫌そうに椅子へと腰を下ろしため息を漏らす。  そして裕実の方も同じく不機嫌そうな顔をしながら望の前へと腰を下ろすのだ。

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