その裕実の言葉に、雄介の方は顔を俯け、肩を震わせている。きっと雄介は今の裕実の言葉に笑いを堪えているのであろう。 　そんな雄介に、和也は気づく。 「ちょ、お前なぁ、何で、笑いを堪えてんだよー」 　和也の言う通りに、とうとう雄介は笑いを堪えることができなくなってしまったのか、今度はお腹を抱えてまで笑い始める。 「……やぁー、だってな、裕実って、なかなか面白い奴なんやなぁーって思ってな。なんつーか……しっかりしとるって言うんかな？　偉いって言うんか？　そんな裕実に和也はたじたじやんか……そこに笑えたっていうんかな？」 「まぁな。でも、そんな裕実でも俺は好きなんだからな」 　そう雄介に言い返す和也なのだが、そこで急に何かを思い出したのか、 「でもさ、裕実の言う通りなのかもしれねぇよな……だってさ、ここに来てから、なんていうのか……ラブラブなことやイチャイチャなこと、なんかしてないような気がするしよー。なんかこう、みんながいるからいいか的な感じになっているのかもな。こう、安心感みたいなのがあって、そういう気分にはならないのかもしれねぇしさ」 「ホンマやなぁ、確かに和也の言う通り、ここに来てからの一週間、特別忙しいってわけやないのに、ラブラブなことやイチャイチャなことしてないような気がするわぁ」 　さっきまでの笑いはどこに行ってしまったのであろうか。今度はつまらなそうな表情をしながら、テーブルに顔をうっぷしてしまったのだから。 　そんな雄介に、望はひと息吐くと、 「……ラブラブなことやイチャイチャなこと位、してもいいんじゃねぇのか？　それくらいだったら、何があってもすぐに動けるんだからさ」 　その望の言葉に、その場にいた一同が望の方へと一斉に視線を向ける。 　その視線に気づいた望は目を丸くし、 「……へ？　何！？　何か俺、悪いことでも言ったのか？」 「……へ？　じゃないぜ。望、熱でもあんじゃねぇの？　それとも欲求不満だとか？」 「……へ？　え！？」 　まだ自分が口にしたことを理解できていないのか、望の方は目を宙へと浮かせたままでいる。そんな中、雄介は望に、 「今、望が言うてたこと、覚えとるか？」 　雄介は望の方に視線を移すと、どうやら望も雄介の方に視線を移した瞬間に二人の視線がぶつかり、そこで望は思い出したのか、 「……へ？　あ、あー！！」 　きっと望は今言った自分の言葉を思い出したのか、少し顔を上げたと思ったのだが、急に顔を俯かせる。 「今のって、もしかして、望は無意識に口にしてたってことなのか？　なるほどー、ってことは逆に考えると、望の本心だってことだよな？」 　和也はそう一人納得すると、 「ま、そうだよな……イチャイチャなことやラブラブなこと位はいいんじゃねぇのかな？　やっぱ、それくらいしないと恋人同士っていう感じがしないしなぁ」 　和也はそこで一旦、間を置くと、