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ー信頼ー17

 雄介とそういう話が出来て安心する事が出来たのか、望は体を伸ばすと、フッとある事を思い出してしまったようだ。 「なぁ、そういやさ、和也達遅くねぇか?」 「そう言われてみればそうやんなぁ? あいつ等のことやから、風呂場でシてたりして……」  雄介はそうふざけたように言っていると、頭を拭きながらリビングへと入ってくる和也の姿が目に入ってくる。 そして和也はその望達の会話を聞いていたのか、 「流石にお風呂ではシてねぇよ。 前にしようとして、裕実が逆上せた事があったからな……まぁ、イチャイチャ位はしてたけど、今日はちょっと話し合いしてたっていうのもあるのかな?」  和也は冷蔵庫の中から水を取り出すと、それを一気に飲み干すのだ。 「ほんで、裕実は?」 「もう、出てくると思うぜ。 まぁ、とりあえずさぁ、俺等がお風呂で話ししていた事を話すから座らないか?」 「あ、ああ……」  普段、和也っていうのは、ふざけている事が多いからなのか、こう真面目な顔でそう言われてしまうと、流石に望達の方も真面目にならなきゃいけないと思うのか雄介と望は一旦視線を合わせ、それを合図に和也に言われた通りに椅子に座るのだ。  丁度その頃には裕実の方もお風呂から上がって来たようで、リビングへと入ってくると和也は裕実の事を手招きし、いつものように裕実の事を和也の横へと座らせる。 「あのさ……さっき、みんなで話ししてただろ? 『今は暇であって暇はない』ってさ。 それで、雄介達なんかは特に相手の事を抱いている暇なんかはない』って事で、俺達の方はお風呂に入って、その事について話してたって訳」  その和也の言葉に望も雄介もクスクスとし始める。 「……って、そこ! 笑うとこじゃねぇだろ……」 「あ、いやな……俺等の方も和也達が風呂入っている時に、その事についてたまたま話し合ってたって事なんや。 せやから、考えている事って一緒なんやなぁ? って思うてな」 「そういう事だったのか。 それで、雄介達の方はその事について解決出来たのか?」 「まぁな。 とりあえず、望の事を抱いている時に患者さんが来た場合には患者さんの方を優先的にするって事なんやけどな。 確かに当たり前な事なんやと思うねんけど、こうなんていうんかな? やっぱ、決めておくのと決めておかないでは違う気がするしな。 もし、決めてなかったら、不安な事だけが渦巻いておって、このままずっと何も出来へんかったかもしれへんやんか」 「そっか……じゃあ、俺達がこう真剣になって考える程ではなかったって事になるのか?」 「せやけど、和也達は俺達の為に考えてくれてたって事になんねんやろ? ほなら、和也達の意見はどんなのやったん?」

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