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ー信頼ー23

「ま、いっか……雄介がそう言うならさ」  望は雄介の方へと体を向き直し、雄介の胸の中へと顔を埋めた。  望のそんな一瞬の行動に、雄介は目を丸くしたが、さらに望の体を優しく包み込むようにして抱き締めた。  東京にいる時よりも、この島は本当に静かな場所だ。夜は特に、誰もが寝静まる時間だからか、耳を澄ませても本当に何も聴こえない。唯一聞こえるのは波音だけだ。  そんな自然の音しか聞こえない中で、二人は静かに目を閉じるのだった。  そして翌朝。  雄介はいつものように一番に起きると、他の三人のために朝ご飯を作り始めた。  今は望と二人きりで暮らしているわけではなく、四人での生活だから、四人分の食事を準備しなければならない。しかし、雄介はそんなことを全く苦にする様子もなく、朝から黙々と料理をしていた。どうやら雄介は料理をするのが好きらしい。  雄介がふと気付くと、次に起きてきたのは和也と裕実だった。 「もう、起きたんか?」 「まぁ、いつもこんくらいに起きてるしな……とりあえず、俺は洗濯してくるわ」  和也はそう言うと、脱衣所にある洗濯物を洗濯機へと放り込む。  現在、雄介が料理を担当しているため、その他の家事は和也や裕実が自然と分担してくれているようだ。それぞれが役割を持ち、無理なく家事をこなしている。  和也たちが洗濯をしている間に、望も目を覚ましたらしく、体を伸ばしながらリビングへとやってきた。 「もうすぐご飯できるし、待っててな」 「ああ……」  雄介の言葉に望は軽く返事をすると、いつもの椅子へと腰を下ろした。  やがて、和也たちも洗濯機に洗濯物を入れ終えたのか、リビングへ戻ってきた。望の向かいに腰を下ろすと、ちょうどその頃には、雄介が作った朝ご飯がテーブルに並べられ始めた。  それに気付いた裕実が声をかける。 「雄介さん、僕も手伝いますよ」 「ああ、ありがとうな」  裕実が加わり、二人で作業を進めたおかげで、雄介一人の時よりも早く準備が整った。こうして朝ご飯がテーブルに並べ終わると、裕実と雄介もそれぞれ席に腰を下ろした。

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