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ー信頼ー32

「ホンマ、そんなんじゃあアカンよな?後、二人だけで住んでるわけやないから、遠慮してるって事もあんねんやろな?特に裕実はさ……。昨日だって、和也があんなに裕実のことを抱きたいって言っておったのに、拒否までしてたやろ?確かに他人と暮らしてるから遠慮っていうのは大事やと思うけど、俺らの方はええって言ってるんやから、遠慮せんでもええんやで。むしろ、堂々とイチャイチャしててもいいわけやしな……まぁ、いきなり和也が裕実を堂々と抱いたら流石に目のやり場に困るけどな。まぁ、和也の事やから、そこはちゃんと弁えてくれそうやし。俺らの場合っていうのは、望がこういう性格やから、人前でラブラブなことやイチャイチャなことはせんような感じだからいいんやけどな」 「まぁ、確かに、そうだよなぁ?望の性格からしたら、人前でイチャイチャやラブラブな事は絶対にしないだろうしな。って事で俺らの方は、雄介の言う通りラブラブな事やイチャイチャな事をするようにするよ。な、裕実?」  そう和也が軽く裕実の方に振ると、 「はい……」  と裕実はその和也の言葉に同意したのか、小さな声で答える。 「ご飯、食べおわーり!ごちそうさまでしたー」  和也は元気よく言うと、キッチンにある流し台でお皿を洗い始める。 「なぁ、裕実ー。今日はお風呂に一人で入っていいぞー。俺はさっき雄介と入ってきたからさ……」 「え?あ、はい!分かりました!」  和也のその言葉に、裕実は反応するが、「一人で入ってきていいぞ」という言葉にどうやら拍子抜けした様子。だって、昨日だって海から帰宅してお風呂に入った後、まだ『もう一回裕実と入る』と言っていたのだから。 「あー!せやせや、望も一人で入ってきてええで……ま、裕実と入ってきてもええけどな」 「……へ?あ、ああ」  和也と雄介のその言葉に、どうやら二人はハテナマークを浮かべているようだ。  二人とも、どういう風の吹き回しなんだろうか。 「ほな、俺の方もごちそうさま!」  そう雄介は言うと、流し台に食器を運び、和也と入れ替わりにお皿を洗い始める。  一方、和也の方は本当に裕実とお風呂に入る気はないらしい。ソファに座るとテレビを点けてしまったのだから。

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