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ー信頼ー34
「確かに、そやな。イチャイチャなことやラブラブなこと、あまりしなくなってきたし、デートみたいなことも、この小さな島じゃできんしな」
「ある意味、この生活っていうのは不満だらけなのかもな」
「せやせや……欲求不満っていうのもその一つやしな」
「だけど、もう一度決めたことやし、簡単に『辞めます』なんてできねぇしなー。そこはもう望の親父さんに面目が立たなくなってくるしさ」
「せやね……働かせてもらってるんやから、なんも文句っていうのはないんやけど、ま、とりあえず、そこは自分たちでどうにか解決していかなきゃならんってことやんなぁ?」
「そうだな……何かあっても、自分たちでどうにかしていけなきゃいけないんだよな。よく考えてみれば、春坂病院で働かせてもらってる時っていうのはホント楽させてもらっていたんだから、それをここで返さないとなぁ!普通、夜勤とかって多いはずなのに、なんていうのか割と少なかったようにも思えるしさ」
「確かに、あまりなかったようにも思えるわぁ」
「だから、俺たちはここで頑張っていくしかないってわけだ」
「ま、そういうことやんな。何かあっても仲間同士で解決してったらええってことみたいやしな」
雄介と和也が話している間に、望と裕実もお風呂場で会話をしているようだ。
浴槽に浸かり、二人ともお風呂に入るときは眼鏡を外しているようだが、とりあえず耳さえあれば会話はできるということだろう。
「しかし、どうしたんでしょうかね? 和也が僕とお風呂に入らないって……」
「さぁな……和也のことだから、何か企んでるんじゃねぇのか?」
「……へ? 企んでる!? 一体、何を和也は企んでいるんでしょうか?」
「それは、流石に俺にも分からねぇよ。でも、アイツのことだから、絶対に何かあると思うんだけどな。昨日も今日もアイツは海から帰宅してきて、雄介と二人でお風呂に入ってるしさぁ。ま、昨日の場合には俺が『お風呂に入って来い』って言ったから入ってきたんだけど……」
「でも、二人で入った方が効率が良いっていうのもありますよね? 海から帰ってきて体は砂だらけじゃないですかぁ? だから、部屋の中を汚したくはないと思いますしね」
「まぁ、確かに……それもあるのかもしれねぇが……なんかなぁ、アイツらのことだから何か考えてそうなんだよなぁ?」
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