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ー信頼ー50

 どうやら他には意見がないようで、子供たちからの発言は途切れてしまった。 「ほなら、見回りの方やねんけど、何時から始めて、どこで待ち合わせをするかやな? まぁ、毎日はきついやろうから……人数も丁度十人位なんやし、五人ずつで見回ったらええんやないの? 後は消防団としてのリーダーを決めておいた方がいいかもしれへんで……。今は俺が司会みたいなのをやっておんねんけど、次からは決めたリーダーにやってもらいたいかな? 俺の方はあくまで消防団の補佐役として、何かあった時にはフォローするくらいの方がええと思うしな。まぁ、もし誰もいないようなら、そこは俺がやっとくからええけどな。押しつけてまではやらんって事で……ほなら、誰かリーダーやりたいっていう人はおるか?」  雄介が問いかけると、真っ先に手を挙げたのは蒼空だった。 「やる! 俺やりたい!」 「ほら、蒼空でええか……」  蒼空以外には手を挙げる子供はおらず、自然とリーダーは蒼空に決まった。 「ほな、蒼空で決まりやな。じゃあ、次は見回りをするチーム分けやけど……。まぁ、男女別にはせんと、一つのチームに男女混合でええかな? 男の子はやっぱり女の子を守ってあげるっていうのもある訳やし。ほな、どうやって決める?」 「最初にそのチームのリーダーを決めて、そのリーダーが指名していく制度っていうのは?」 「ジャンケンというのか、まずは男女に別れてジャンケンで決める方が公平だと思うのだけど……」 「とりあえず、どっちがええかで多数決やんな」  そう雄介が提案し、多数決を行った結果、ジャンケンで決める案が多数を占めたため、その方法に決まった。  ジャンケンでチーム分けを行い、各チームが決まった後、雄介が話を続けた。 「ほなら、後は待ち合わせと時間やなぁ。とりあえず今は夏休みやけど、昼間っていうのは暑いし、熱中症になりかねんから、夜やな……夜の七時くらいから一時間位がベストやと思うねんけどな。ほら、今は夜の十時にはお子様達は外に出たらアカンしな」 「うん! そうだね。夜の七時にして、待ち合わせ場所っていうのは診療所でいいんじゃないの?」 「それでええねんやったら、それでもええよ。ほなら、決まりやな。後はポスターの方は自分の自由に描いてきたらええしな」

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