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ー信頼ー66

「ん? 何か言いたそうだな?」 「あ、いや……何でもないよ……」  望はそう言って、ソファに座り、テレビをつけた。特に見たい番組があるわけではなく、ただやることがなくて、テレビをつけただけだった。  雄介は洗い物を終え、次に洗濯物を洗うためにキッチンを出ていった。リビングの静けさが急に感じられ、洗濯機の音が聞こえてくる。  その後、雄介はリビングを掃除し、洗濯機が終了の合図を知らせると、洗濯物を持って庭へ向かっていった。  望は雄介の姿を目を細めて見つめる。イライラが募っているのか、貧乏揺すりを始めていた。  もう既に和也たちはきっとラブラブな時間を過ごしているだろうに、望たちの間にはその雰囲気すらない。望はその事にさらにイライラしていた。  洗濯物を干し終わった雄介が、ただ忙しそうに望の横を通り過ぎる。望は思わずため息を漏らす。  望も雄介とイチャイチャしたいと思っているのに、自分の性格上、それを素直に言うことはできない。ただ雄介の動きを目で追い続けるしかなかった。  やがて雄介がリビングに戻り、窓を拭き始める。その姿に、とうとう望は限界を感じたのか、立ち上がり雄介のもとへ歩み寄ると、肩を掴んで顔を自分の方に向けさせた。 「……お前、今日! そんなことで時間を無駄にするのか!?」 「……え!??」  望の突然の行動に、雄介は驚き、思わず裏声を上げて目をパチクリとさせる。 「だから、言ってるんだよ! お前、今日、そんなことで時間を無駄にしていいのかって!」 「それって……どういう意味……?」  雄介は望からそんなことを言われるとは思っていなかったのか、言葉がうまく出てこないようだった。思考が追いつかない様子で、なんとか言葉を探している。 「さっき、和也は裕実を説得して、今日は二人きりの時間を過ごすって言ってたんだぞ! 俺たちの方はどうなんだよっ!」 「……俺たち!??」  雄介はどうやら望が何を言いたいのか、まだ完全に理解できていない様子だった。望の急な言葉に戸惑い、考えがまとまっていないのだろう。  その姿を見た望は、ため息をつき、怒ったようにソファに腰を下ろす。  その姿に、ようやく雄介は何かに気づいたのか、窓拭きをやめて、ソファに座っている望の前に中腰で座り、望を見上げた。

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