2013 / 2043
ー信頼ー67
「俺の方は望のことを待っておっただけやで……。 今まで忙しかったやろ? せやから、待っておったや」
「……待ってたってなぁ」
望は雄介の言葉にため息を吐く。
「もういい! 俺達の関係っていうのは、友達以上恋人未満でさ!」
そう言うと、望は相変わらず雄介とは反対側を向いてしまう。そんなこと、こういう話をする時にはいつものことだ。
「どないして、そうなるん? 望と俺の関係っていうのは、そんなもんでええんか? ってか、本気でそう思ってるん?」
真剣に雄介は望に質問をしているのであろう。声だっていつもより真剣で、瞳だって望の目を完全に捉えて離さまいとしているのだから。
そんないつもとは違う雄介に、体を固まらせてしまう望。
「……望がこんな話、苦手なのは知っとる……けどな……俺達の関係っていうのは、友達以上恋人未満っていうのはもう聞き捨てならん。 確かに、この島に来るまで色々と忙しかったし、この島に来てからもバタバタとしておったから、その間に関しては和也達とも散々話し合ったし、それはそれで解決したやろ? まぁ、その間っていうのは友達以上恋人未満だったのかもしれへんけどな。 せやから、その事については話し合って決めた事やんか、だからもう俺達の間にそういう関係は無しやって……俺達っていうのは恋人同士っていう仲なんやろ?」
「なら、何で、雄介はご飯の後、掃除とかしてたんだよー!」
「それはしゃーないやんか……家事とかも俺の仕事なんやし、こうやって暇な時にしか出来へんからなぁ」
雄介は立ち上がると、体を伸ばす。
「なら、雄介はどうなんだよー。」
「そんなん決まっとるやろ? 俺達の関係っていうのは恋人同士やって事や」
雄介は望のことを強く優しく抱き締めると、
「今までホンマ忙しかったからな……望も不安やったんやろ? 大丈夫やって、俺の方は望のことを忘れたこともなかったで、ずっと、ずっと望のことをこうして抱き締めたかったんやけどな。 本当に仕事が忙しくて望のことをほっといたのはスマン……これからは気を付けるようにするし。 せやから、もう、友達以上恋人未満っていうのは言わんようにしてな」
雄介はそう言うと、望の額へとキスをする。
望はそんな雄介の言葉から真意みたいなのが伝わってきたのか、今まで体に力を入れてしまっていたのだが、体から急に力が抜けてしまったようだ。
「確かに雄介の言う通り、不安でいっぱいだったのかもしれねぇな。 今、改めて雄介に言われて安心したように思えるしよ。 俺だって、雄介のこと、本気で好きなんだよ。 本当に、本当に心が苦しいくらいにお前のことを好きになっちまったんだ! だから、逆に何も無いと不安で仕方なくなっちまったのかもしれねぇな」
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