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ー信頼ー69
「確かに、俺は反対してた。 初めは消防士のお前もカッコよかったけど、今は医者になったお前もかっこいいしな。 それに、医者になる為には勉強もかなり必要だったし、流石の雄介でも無理だって思ってたしな」
「まぁ、確かに俺は勉強嫌いやねんけど、俺には強い味方がおったからな。 せやから頑張れたんやで……。 ホンマ望に会ってなかったら、俺の人生はあのまま消防士で終わっておったかもしれへんしな。 それに、下手したら仕事中に死んでおったかもしれへんし。 このまま生きてこれたのは望のおかげかもしれへんで、ま、そういう事やから命の恩人の側から絶対に離れへんから安心してや」
「もういいよ。 これで、十分にお前が俺に対しての本気度が伝わって来たからさ、何か久しぶりに安心出来たような気がしてきたしさ……」
「ほなら、良かったわぁ。 ほな、行こうか?」
そう雄介はわざと主語を使わずに望の手を取ると、望も雄介が言いたい事が分かったのか、雄介の手を握り二人は部屋へと向かうのだ。
何も無い平和な島。 ただただ波音だけが耳へと聞こえて来る。
雄介は部屋の中へと入ると望の事をベッドへと沈め、望の両手を優しく強く握り締めると唇を重ねる。
「ホンマに今日はええんか?」
雄介からのその質問に望は頭を頷かせる。
「ほな、久しぶりな……」
雄介は望の手から片手だけを離すと、片方の腕だけで自分の体を支え、もう片方の手は望が着ているポロシャツの中へと手を入れて優しく望の体を這わせ始めるのだ。
久しぶりの感覚に望の体はピクリと反応し、
「ん……」
と部屋内に甘い声を響かせる。
「相変わらず、ええ反応やんな。 体は全くもってこういう事は忘れてないって訳や」
「そういう訳じゃあ……ぁ……」
「ホンマ相変わらず素直じゃないんやな。 まぁ、そういう所を引っくるめて望の事が好きなんやけどな。 ま、体は正直やって事やんなぁ」
ゆっくりと望の体を這わせていた手が胸の突起を見つけると、それを指先で摘み刺激を与える。
それだけでも今の望からしてみたら刺激が強過ぎたのか、目を瞑り、何故だか首を振ってしまっていた。
「どないしたん? もう、アカンって事なんかぁ?」
「……そりゃ……な……久しぶりで……好きな人に……そんな事されたらっ!」
「ほなら、一回抜いておいたらええかー?」
「でも、それだと雄介は?」
「俺の方は心配せんでも大丈夫やってー、望の為なら我慢出来るしな」
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