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ー信頼ー76

 とりあえず雄介は望に気付かれないようにお風呂場へと入る。  だがドアの方に顔を向けて洗っていた望だが雄介の存在に気付かない訳もなく、 「とりあえず、体洗わないと気持ち悪いだろ? もう、俺の方は洗い終えたし、体洗ってもいいぜ」 「ああ、おう! ……スマンな」  望と入れ替えに雄介はシャワーの下へと向かい、頭からお湯を浴びるのだ。  暑い中クーラーを点けていたとはいえ、一応体を動かしていた事には変わりないのだから汗は掻く。 少し温めのお湯で今まで行為をしていて熱くなってしまっていた体をゆっくりと冷やしていく。  頭からシャワーを浴びた雄介はシャワーから頭を上げ、その短髪を両手で掻き上げるとスッキリとしたような表情を見せていた。 「ふぅー! はぁー、気持ちいい! とりあえず、また、明日から頑張ろっ!」  そう自分に気合いを入れる雄介。  雄介は体を洗い終えると、リビングへと向かうのだ。  すると裕実と望は洗濯物を取り込み、どうやら和也はキッチンで何かを作っているようだ。  雄介はそんな三人の様子に目を丸くしていると、洗濯物を取り込んでいた裕実と望が部屋へと入って来て、 「雄介さん! 僕達も家事手伝いますよ! 今まで雄介さんにばかり家事をさせていたのでね。 それに雄介さんにばっか家事を任せておくなんて出来ないじゃないですかぁ、だって、ここにはみんなで暮らしているんですよ。 確かに僕達も忙しいのですが、雄介さんの方が遥かに忙しいのに雄介さんに任せっぱなしでスイマセンでした」 「あー、あ……! えっーと……あ、まぁ……別に家事の方はめんどくさいと思ってやっておった訳じゃないし、自分から楽しんでやってたって訳やし、まぁ、そこに関しては謝らなくてもええねんけどな。 あ、まぁ、手伝いくれるんやったら嬉しいわぁ」 「とりあえず、明日からは僕達も今まで以上に家事手伝いますね」 「そうそう! 裕実の言う通りだぜ。 まぁ、付け加えると、やっぱり、一緒に住んでるんだからさぁ、家事は分担してやろうって事なんだよ。 そうさっきな裕実と話して決めたんだ。 確かに雄介はこう当たり前のように家事をやってくれていたのかもしれねぇけど、やっぱ、一人でやらせておくのは? って思ったんだ。 今まで忙し過ぎて、そこまで頭が回ってなかった俺達だけどさ。 今更って思うのかもしれねぇけど、今はここに四人で住んでるんだからさぁ」

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