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ー信頼ー87

「……流石にそういうことになっちまうのかもな。 だから、親が来るっていうのは憂鬱な訳……」 「なぁ、それって、既に和也と裕実は別れて、今までのこと、綺麗サッパリ諦めて、島を出て行くっていうことになるんか?」 「んー、まぁ、そういうことになるのかもな。 本当、今まで二人のことを簡単に考えてたのかもしれねぇよな。 だってさ、親が近くにいない分、自由にできるようになった。 だから、こう自分が好きなように恋愛とかして、生活も自由で好き勝手やってきた結果っていうのかな?」 「……って、和也……どないしたん!? 今日の和也っていうのは、和也らしくないで……」 「いやー、たまに和也の奴って、思いっきりヘコむ事があるんだよな。 まぁ、普段が明るい分、何かが起きてしまうとめっちゃヘコむって言うのかな? 前に実琴が来た時もこんな感じだったしよ」 「実琴って……? あ、裕実の弟だったんやっけ? それで、和也の元恋人だったって言う」 「そうそう。 そん時も落ち込んで裕実と別れるようなこと言ってたしなぁ」 「俺はお袋が来ることに関して落ち込んでる訳じゃねぇんだよ。 もしかしたら、みんなと別れなきゃいけねぇかもしれねぇって事で落ち込んでんだ」 「ほなら、先ず、和也のオカンの事を説得せなぁアカンのやろ? どうにか説得できそうならええねんけどなぁ」 「まぁ、そういうことなんだけどな」 「とりあえず、まぁ、そないな話になった時に上手く、それとなく同性同士について聞いてみる訳やんか……そいで、同性同士に抵抗が無い。 となれば問題はないんやけどな。 ってことは、もし、そうじゃなかった場合は? ってことやんな?」 「そういうことですよね」 「とりあえず、和也は裕実とも別れたくない訳やし、仕事も辞める気は無いってことでええやんな?」 「当たり前じゃねぇかぁ、俺はどんなことがあろうとも裕実とは別れたくはないからな!」 「それを再度確かめたかっただけやって……。 なぁ、今、言うてくれたやんか『どないなことが起きても別れたくはない』ってな……」 「そうですよー。 それなら、和也は落ち込んでる場合じゃないと思いますよ。 ちゃんと考えてくださいよ」  その裕実の言葉に、今まで落ち込んでいた和也だったが、ようやく目を覚ましたようで、気合いを入れた直後、いつもの和也を取り戻したようだ。

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