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ー信頼ー100
雄介はそう言うと食器を流し台へ置き、早速診療所へ向かった。
「本当にヤバいかもしれねぇな。まだ今は風だけみたいだけど、雨雲とか雲の動きが早くなってきてるみたいだからな」
和也はそう言いながら窓の外を眺める。
「あー! って、外を見てる場合じゃないじゃねぇか! 洗濯物、取り込んでおかないとヤバいことになるところだったぜ」
「そうですよね! 今まで話してて忘れてましたけど……」
二人は急いで庭へ出ると、洗濯物を取りに向かった。
「本当、外に出てみて良かったぜ。マジに風が強くなってきてるみてぇだしな……」
「そうですよね」
その時、再び島中に放送が流れ始める。
『只今、この島に台風が接近しています……』
和也たちは外にいるおかげで、その放送がはっきりと聞こえていた。そして放送に耳を傾ける。今回の放送では避難指示が出るのだと思っていたが、次の言葉に耳を疑うこととなる。
『本日、こちらの島に向かっていた定期便が転覆したと報告を受けております』
「……船が転覆!?」
和也は放送を聞き、ぼそりと口にする。
「ちょっと、それって、大丈夫なんですかね!? 沢山の人が救助を求めているんじゃないんでしょうか?」
「そうだよな! ちょ、望たちに急いで知らせねぇと!」
和也と裕実は一応、洗濯物を取り込んでから急いで診察室にいるであろう望たちのもとへ向かった。
「望! 雄介! 今さ、定期便が転覆したって放送が流れてきたぜ」
「ああ、それは俺たちもちゃんと聞いてたよ。だから今、準備してるところだ。準備が整い次第、現場に向かうぞ!」
「ああ、そうだな!」
和也と裕実も望たちの準備に加わり、事故があったと思われる現場の近くへ向かう。
視線の先、小さく転覆した船が見える。その場所が島から比較的近かったためか、若い人たちは自力で島へ向かってきているようだ。
「ちょ、俺、島の人たちに頼んで船を出してもらうように言ってくるよ! そうすれば、泳げない人たちも助けられるだろ?」
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