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ー信頼ー115
「そうだよな! 確かに裕実の言う通りだぜ。こんな時に望の助けにならなくて、望の親友って言えるのかよ! まったく、俺ってば、そんな初歩的な事を忘れてたぜ。裕実の言う通り、望の助けになるのは俺達しかいねぇんだからな! それに、絶望じゃなくて希望だよな! 根拠とかそういう事じゃねぇんだよ。友を信じる力が、きっと希望に変わるんだと思うしな! 親友である俺達が雄介の事を、生きてるって信じてあげなきゃどうすんだよーって話だよな!」
そう言うと、和也はいつもの調子を取り戻したのか、笑顔を見せ始めた。
「そうですよ! 僕達は雄介さんが生きてるって信じましょう!」
「ああ! そうだな」
「なんなら賭けてみる? 雄介さんが生きて帰って来るか、帰って来ないか?」
「……って、お前なー。さっきから、よくもまぁそんな酷い事が言えるよな? やっぱ、そこはアメリカで育ったからなのか? それとも、家庭環境が悪かったからなのか? ってかさ、よくもそんな人の心を傷つけるような事が平気で言えるよな? お前には人を思いやる気持ちとか、そういうのは無いのか? それとも、まだ日本語に慣れてないって訳なのか?」
和也は一気にまくしたてたが、さらに言葉を続ける。
「さっきだって、望に対してあれはあまりにもストレートすぎるだろ。今、望の心の中がどれだけ雄介の事でいっぱいかってのを考えれば、言葉を詰まらせた望に先を促すような事しなくてもいいだろうが。あの時の望なら、『雄介の事を心配してる』って答えなんて、考えなくても出てくるもんだと思うぜ?」
和也は一瞬間を置いて、溜め息をついた。
「それに、お前さ、兄弟なんだろ? 双子なら尚更、お互いの事が分かるもんなんじゃねぇのか? 俺なんか、双子って聞くと『お互い考えてる事が分かる』とかそういうイメージあるんだけどな。やっぱ、そこは離れて暮らしてたからなのか? お互いの事が分からないってのは、そういう理由なのか?」
そう言いながら、和也は朔望に向き直った。
「ってかさ、お前ら兄弟なんだから、逆に友達みたいな関係から始めてみた方がいいんじゃねぇの? お互いの性格を知ってくって意味でもよ。それで徐々に兄弟らしくなっていけばいいんじゃねぇか? なんつーか、望と朔望って兄弟なんだろうけど、俺から見たら『兄弟であって兄弟じゃない』って感じがするんだよな。だからさ、もっとお互いを知る事から始めた方がいいんじゃねぇの?」
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