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第7話 刹那

「ねえ、キスしてもいい?」 ユウはこくんと頷く。 ショウの薄い唇がゆっくりと近付き、ユウの額に軽く触れる。 ユウの反応を確かめながら、今度は頬に口づける。 てっきり唇にキスをされると思っていたユウは、分かりやすく物足らない表情でショウを見つめる。 ショウはククっと笑って、またユウを抱きしめた。 それからもう一度見つめ合い、ユウの目の奥の火照りが変わらないことを確認したショウは、自ら吸い寄せられるように、唇を重ねる。 「ふっ……ぅ」 ただこれだけのことで、ぴくりと肩をすくませるユウが愛しくて仕方なく、同時にユウの全てを口の中に収めてしまいたい昂りを止められず、ショウは舌でユウの唇をこじ開け、更に合わさりを深めていく。 「ふぁっ、んっ……!」 ユウは、しがみつくようにショウのシャツに皺を作り、今にも溶けて形が無くなりそうな身体をなんとか保とうとした。 「怖くない?」 コクコクと二回頷くと、ユウは口を開く。 「もっと……したいです」 ぎこちなく舌を動かし、ショウをより深くに受け入れようとする健気さを感じ取ると、ショウの下半身は瞬時に膨れ上がったが、ユウを強く抱きしめることで、なんとか自らの劣情を昇華させていく。 そんな苦労をつゆ知らずか、ユウは夢中でショウの熱を追いかけるうちに、自然とショウの首に腕をまわしてくる。 意図的なのか無意識なのか、煽るように全身を擦り付けてくるユウに耐えきれず、ショウは理性が途切れる寸前で、咄嗟にユウの身体を引き剥がした。 「ちょっと休憩……」 ショウは冷静さを取り戻す時間が欲しくて、言葉を繋いだ。 「ごめん、俺……、完全に歯止めが利かなくなりそうで。ユウはこういうこと、初めてなのかな?」 ついさっき互いの気持ちを打ち明けたばかりなのに、早速その先へ、というのはさすがにどうかと思い、ショウは紳士であろうとした。 ところが、ユウはふるふると首を左右に振ると、頬を赤らめて言った。 「俺、その……」 「ん?」 「最近……ショウさんと、その、も……もっと凄いことする夢を見て……」 「……!? ユウ、それは……」 全く想像していなかった言葉がユウの口から出てきてショウは眩暈を覚え、思わず目を閉じた。 深く息を吐き、腹の奥から煮えたぎる劣情をもう一度鎮めるために欲望と必死に闘うつもりだったが、ふと新たな考えが浮かび、次に目を開けた時には、熱の籠った強い瞳を隠そうともせず、ユウを確実に捕えた。 そうしてあからさまに膨張した欲棒を服の上からユウに押し付けたのだ。 「……ねぇ、こういうことだよ。していいの?」 ヒヤリとするほど静かに低く響くショウの声。 下腹部に、ぐん、と硬いものを感じ、ユウは身震いする。 「あっ!」 堅固なものをグイグイと擦りつけられながら、また唇が塞がれる。 重なった部分からショウの唾液がじゅわりと注ぎ込まれると、ユウの小ぶりな陰茎にもドクドクと血流が集まっていき、とうとう布地の下で、ぴんと上向いてしまった。 ユウが熱を持て余しているのを察したショウは、無駄のない動きでユウの衣服をずり下ろし、陰部へ手を伸ばす。そして、見事に反り上がった自らの逸物もぶるんと露わにして、二つをぴたりと合わせて扱き始めた。 「んんんっ!!!」 初めての快感に、ユウは抗うことができない。 「ユウ、無理って言っても止められないから」 耳元に響くショウの切ない声が、ユウを更に狂わせる。 ショウはブレることなく規則的なリズムで手を動かしながら、白露のような耳たぶを甘く食み、舌で首筋をなぞり、鎖骨に数回ねっとりと吸い付くキスをする。 自分の体なのに、これまで一度も意識したことのない部分にショウの唇が触れ、ユウは今はじめて自分という形がこの世に生まれた気がした。 「ぃや……、ひぁっ」 ユウが悲鳴にも近い声を上げたところで、かえってショウの興奮を逆撫でするばかりだった。 構わずゆっくり下りていき、胸元の淡い突起にたどり着くと、また舌と唇を使って丹念に愛撫し始めた。 「あっ……!」 ユウは未経験の快感に溺れまいと、必死にショウの頭に腕を回すが、また無意識のうちに身体を擦りつけている。 ショウは窮屈さと息苦しさを感じながらも、今、ここで達しようとしている初々しい芽吹きを見届けたい一心で、剥き出しになった二つの果実を扱き続ける。 ちゅくちゅくちゅくちゅく…… 徐々に速度を上げていくと、ユウの穂先から薄いミルク色の蜜が零れ出てきた。 「んっ、んっ、ショウさん!!俺!もう……」 その声に、ショウの剣先にも熱いマグマが滾り出す。 「うん。いいよ、出して。俺も、イく」 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ…… 卑猥な音が一層響き渡り、興奮は頂へと達する。 「ああぁっ!!」 「くっ……!」 白濁を吐き出す直前、どちらからともなく貪るように唇を求めあった――

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